パルサーGTI-R Gr.A仕様【前編】1992年RACラリー参戦車のN14系を再生完了!|日産名車再生クラブ 1992年式パルサーGTI-R

AI要約

日産名車再生クラブがN14系パルサーGTI-R、1992年RACラリー参戦車を再生完了!

WRCについての歴史と日産の復活、パルサーGTI-Rの特徴など

日産名車再生クラブの徹底した再生プロセスと苦労

パルサーGTI-R Gr.A仕様【前編】1992年RACラリー参戦車のN14系を再生完了!|日産名車再生クラブ 1992年式パルサーGTI-R

【日産名車再生クラブがN14系パルサーGTI-R、1992年RACラリー参戦車を再生完了!|1992年式パルサー GTI-R 前編】

WRC、世界ラリー選手権。

1980年代中期から90年代前半にかけて、WRCではトヨタが世界の頂点に立つ活躍を見せていた。

もちろん、三菱やスバルも頭角を現し、この時期には日本メーカーのチームとクルマが大きく台頭していた。

だが、それ以前に世界を舞台に華々しい活躍を見せていたのが日産だった。

1960年代後半に始まる、510ブルーバードやS30フェアレディ240Zの活躍ぶりから、「ラリーの日産」といわしめる存在感を見せていたのである。

しかし1980年代に入ると、82年にバイオレットがサファリラリー4連覇を達成したあとは、240RS(シルビア)やフェアレディ300ZXなど国内を中

心とした活躍はあったものの、80年代後半に他の日本車がWRCで快進撃する中では一歩引いた位置に収まっていた。

そんな時期に、「ラリーの日産」の復活を果たすために、ラリースペシャルとなるベース車が開発された。これが1990年に発売された、4代目パルサーのGTI-Rだった。

鳴り物入りで登場したパルサーGTI-Rは、2Lの直列4気筒DOHC4バルブ・4スロットル、インタークーラーターボにより230psを発揮するSR20DET型エンジンを搭載。

さらに全日本ラリーで実績のあるU12ブルーバードのフルタイム4WDシステムATTESAを搭載と、日産の本気度が伝わってくる内容だ。

外観も巨大なボンネットバルジと大型リアスポイラーを装備。ややフレアしたフェンダーパネルなど、すごみを利かせたホットハッチバックモデルに仕上げられていた。

1990年に鳴り物入りで登場したパルサーGTI-Rだったが、WRC参戦は1991年と1992年の2シーズンで終わっている。1993年シーズンから車両レギュレーションの変更で、タイヤ径の縮小などにより他車と互角以上に戦えるとの目論見はあったが、バブル景気崩壊の余波もありワークス活動に終止符が打たれている。

ただ、グループAより改造範囲が少ないグループNでは、1992年のWRCタイトルを獲得。ポテンシャルの高いクルマだったことは間違いなかった。

さて、今回、日産名車再生クラブがレストアした個体は、1992年に英国、RACラリーに参戦したもの。これまで簡易的に修復され、日産ヘリテージコレクションでの展示や各地でデモンストレーションに使用されてきたものだ。

これを当時の仕様を徹底再現するために、新たに史料検索や当時の関係者とのコンタクトなどによって、完璧に再生している。

もちろん、同クラブでは当時の状態で動態保存することを命題としているため、実走行テストも行いパフォーマンスも間違いなく、当時のワークス仕様に準じたものに再生している。

当時の資料が少ないことから、作業は決して順調とはいえなかった。しかし、WRCのグループA車両のクルマ造りやワークス活動最前線の様子が、この個体を通じて多くを学べたという。

【後編】に続く