「半世紀」の歴史が生む熟成 BMW 5シリーズ(6代目/F10) UK中古車ガイド 7シリーズと基礎を共有

AI要約

BMW 5シリーズの歴史は、1972年に遡る。2009年から2017年にかけて提供されていた6代目のF10型5シリーズが熟成された内容にあった。英国の中古車市場では多くの選択肢があり、異なるエンジン仕様に応じた価格設定もある。

F10型5シリーズは、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなど複数のエンジンを選択できる。AUTOCARが高く評価した528iや530d、535dなど複数のパフォーマンスレベルが存在し、各モデルが多様な需要に対応している。

F10型5シリーズは2013年に環境規制のユーロ6へ対応し、同時にフェイスリフトが行われた。スタイリングのアップデートに加えて、機能面でもヘッドライトやATなどが改良され、より洗練された仕様となった。

「半世紀」の歴史が生む熟成 BMW 5シリーズ(6代目/F10) UK中古車ガイド 7シリーズと基礎を共有

BMW 5シリーズの歴史は、1972年に遡る。半世紀以上の歴史を持つ上級サルーンだ。2009年から2017年にかけて提供されていた、6代目のF10型5シリーズが熟成された内容にあったとしても、不思議ではない。

レシピは既に完成していたといえ、当時のAUTOCARは上質な車内や洗練された操縦性を特に評価している。やや特長が薄いスタイリングや、サスペンションの詰めが甘いことも、指摘しているが。

F10型の5シリーズは好調に売れ、英国の中古車市場を調べてみると、多くの選択肢で悩めることがわかる。燃費自慢の520dなら、走行距離の長い例で約3000ポンド(約61万円)から。好条件の523dは、約1万9000ポンド(約388万円)だ。

もちろん、BMWならガソリンエンジンが良いという人も多いはず。英国ではディーゼルほど売れなかったが、2.0L 4気筒ターボから4.4L V8まで、複数から選べる。別格のM5も存在する。

当時のAUTOCARが高く評価したのは、2.0L 4気筒ガソリンターボの528i。最高出力は245psで、0-100km/h加速を6.2秒でこなした。ディーゼルターボの520dも、燃費が良いだけでなく洗練されている。

530dも優秀で、0-100km/h加速5.8秒と動力性能も充分。535dは更に加速が鋭く、公道でのレスポンスは印象深い。

2013年から、ディーゼルエンジンは環境規制のユーロ6へ対応。同時期にフェイスリフトも受け、スタイリングが更新された。ヘッドライトやアイドリングストップ機能、電子ハンドブレーキ、8速ATなどが改良されている。

英国仕様のF10型5シリーズは、6速MTが標準設定だった。シフトレバーの動きは軽く引き締まり、扱いやすい。

オプションとしては、アクティブ・ステアリングに後輪操舵システム、アクティブ・アンチロールバーなどが用意されていた。いずれも高価で、装備率は低いようだ。それでも、アダプティブダンパーは探す価値がある。乗り心地や操縦性が、1ランク上になる。

F10型の特徴といえたのが、7シリーズとプラットフォームを共有したこと。ホイールベースは短縮されているものの、広々とした車内を強みとした。特にリアシート側はゆとりがある。

インテリアの仕上げは美しく、装備も充実している。エントリーグレードでも、英国仕様ではデュアルゾーン・エアコンに6.5インチのインフォテインメント用タッチモニター、レザーシート、パーキングセンサーなどが備わった。

その1つ上がラグジュアリー。BMWプロフェッショナル・マルチメディア・システムに、Mスポーツ仕様の内装、パワーシート、Mスポーツ・アルミホイールとスポーツサスペンションが組まれる。

惜しいのが、右へ若干オフセットしたペダルレイアウト。それでも、心地良いシートで快適な姿勢に落ち着ける。お望みのエンジンを選択し、サスペンションとホイール・サイズに注意すれば、望ましいドライバーズサルーンを我が物にできるはず。