出身大学名を聞かれて「MARCHです」と答えてしまう人たちの複雑な本音 「イメージを勝手に決めつけられるのが嫌」「グループ内の“格差”を感じる」
関東の大学で、早慶上智に次ぐ難関私立大学群として知られる「MARCH」(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)。幅広い分野に多くの人材を輩出し、活躍しているOB・OGも多いが、学校名を明かす必要に迫られた時に個別大学名でなく、「MARCHです」としか言わない人もいるようだ。それはいったい、どのような事情からなのか。MARCH在学・出身者に本音を聞いた。
中央大卒で商社勤務の20代女性・Aさんは、九州出身。大学受験当時、知名度の高い東京の大学に憧れを抱いていて、志望校の決め方として「MARCHならどこでもよかった」と明かす。
「東京の私大でいうと、早慶や上智は手が届かないけど、MARCHは“ほどよく賢くてカッコいい”みたいなイメージがありました。ただ、いざ東京に来ると、合コンなんかで学校名を自己紹介しなきゃいけなくなったら、いったん『MARCH』って言っていましたね。MARCHって言ったほうが、オシャレな気がして。女子が多くてオシャレなイメージのある青山や立教が入っているからですかね?」
そんなAさんは、「MARCHのどこ?」と聞かれるのが苦手だという。
「中央って、なんか地味だし明治や青学なんかと比べてイメージが薄くないですか? 聞かれたから『中央』って言うと、微妙な空気になることが多いんですよね。『ああ……』みたいな(笑)。なので、正直『MARCH』と言ってるんですが、そう言った時点で“次は聞かれたくないんだな”と察してほしいです」(Aさん)
Aさんとは真逆に、青山学院大卒でIT企業勤務の20代男性・Bさんは、「イメージが面倒だった」と明かす。
「青学だと“都会的、オシャレ、かわいい女子、かっこいい男子、陽キャ”みたいなイメージを持つ人が多いんです。でも僕はそんなタイプではないので、在学中はバイト仲間に、『見た目も性格も青学っぽくないよね』と言われること多かったし、社会人になっても『本当に青学卒?』『かわいい女の子多いんでしょ? 紹介してよ』などと“青学らしさ”を求められることが面倒で、出身大学を聞かれたら『MARCH』とごまかすようになりました」