日本空港ビル、放射冷却素材「Radi-Cool」販売拡大 ホテル・病院など他業種にも

AI要約

日本空港ビルデングは、放射冷却素材「Radi-Cool」の販売を拡大し、空港や他業種に展開している。

Radi-Coolは太陽光を反射し、室内の熱を放射することで、エネルギーを使わずに室温を下げる。

現在は日本国内の各空港での導入が進んでおり、さまざまな施設にも採用されている。

日本空港ビル、放射冷却素材「Radi-Cool」販売拡大 ホテル・病院など他業種にも

 羽田空港のターミナルなどを運営する日本空港ビルデング(9706)は、販売代理店を務める放射冷却素材「Radi-Cool(ラディクール)」の販売を拡大している。直射日光を反射して室内の熱を放射する、放射冷却の原理を応用した世界初の技術で、空港のほかホテルや病院など、他業種への展開も強化する。

 ラディクールはラディクール ジャパン社(東京・中央区)が開発。太陽光を反射し、自然現象の熱放射を用いて室内の熱も放射することで、エネルギーを使わずに室温を下げられる。フィルムと塗料の2種類あり、屋根やガラス面などで活用する。

 空ビルは2020年に、ラディクール ジャパン社と提携を開始。夏場に熱がこもるPBB(搭乗橋)や駐車場の連絡通路などで検証したところ、室温が約4度から5度ほど下がり、空港利用者の快適性向上と、空調負荷の省エネ対策につながった。

 現在は羽田のほか、中部や新千歳、関西、那覇など、国内の各空港で導入が進んでいる。空港のほか、通信会社のキュービクル(高圧受変電設備)やホテル、病院、学校、飲食店など各施設へ施工した。

 また、日産自動車(7201)が羽田空港で実施している自動車用自己放射冷却塗装の実証実験でも導入し、塗装の効果と耐久性を2023年11月から1年間かけて検証している。日産の実証実験には、空ビルもラディクールジャパンの販売代理店として協力する。