日本に復活した現代版下宿「異世代ホームシェア」 高齢者と若者が支え合い、双方がwin-winになる秘密は?(2)/第一生命経済研究所・福澤涼子さん

AI要約

異世代ホームシェアとは、高齢者と若者が支え合う新しい住まいの形であり、孤立化を防ぎ住宅費を軽減する目的がある。

高齢者と若者が共同生活を送ることでお互いに支え合い、価値観や経験を共有し、良い関係を築いている事例がある。

若者は高齢者からのアドバイスや支援を受ける一方、高齢者も若者から学ぶことができ、双方が成長や新たな目標を見出している。

日本に復活した現代版下宿「異世代ホームシェア」 高齢者と若者が支え合い、双方がwin-winになる秘密は?(2)/第一生命経済研究所・福澤涼子さん

 広い一戸建ての家に1人、あるいは2人で暮すお年寄り。一方、高い家賃に悩む若者。若者が独居老人の空き部屋に住めば、高齢者の孤立化を防げるし、住宅費軽減にもつながり、一石二鳥となる。

 第一生命経済研究所の福澤涼子さんが、「異世代ホームシェア」という、世界に広がる血縁関係によらない世代間の支え合いを提言している。

 いったい、どんな仕組みなのか。昭和によくあった「下宿」とどう違うのか。話を聞いた。

■親に会わせる前に「彼氏の品定めをしてほしい」

 <日本に復活した現代版下宿「異世代ホームシェア」 高齢者と若者が支え合い、双方がwin-winになる秘密は?(1)/第一生命経済研究所・福澤涼子さん>の続きです。

――ほかの家主さんはどうですか。

福澤涼子さん 埼玉県のBさん夫婦。Bさんが70歳を迎えた晩、入居者たちがサプライズで古希を祝ってくれたそうです。

  

  Bさんは70歳の誕生日に何ごともなく寝ようとしたら、若者たちに別の場所に連れていかれました。そこに誕生日の飾り付けがしてあったそうです。

  

  Bさんの家では住人たちとBさんで定期的に食事会をしています。そこでは若い人はいつもコンビニご飯ばかりで、野菜不足だからと、Bさんが野菜たっぷりの食事を作ってくれるお礼も兼ねたサプライズなのです。ちなみに下の写真は、Bさんが作っている野菜料理です。

――とても、いい話じゃないですか!

福澤涼子さん 神奈川県のCさん夫婦は、住人の若者たちからいろいろな相談を受けるそうです。「就職活動で内定を取ったけど、どこの会社に行けばいいだろうか」とか、「親に彼氏を紹介する前に、人物を見定めてほしい」と彼氏を連れて来るとか。

  

  若者って、自分の親には素直に相談できない面があるじゃないですか。Cさんが親代わり、いえ人生の先輩としての相談者になっているのです。退居して結婚した人が、子どもを連れて再訪することもよくあるそうです。

  

  Cさん自身も若者たちから、いろいろ教わっています。今の若者にとってステップアップのための転職や起業は当たり前の価値観になっています。そうした価値観に触れてCさん自身も次の目標ができたと話しています。