敦賀原発2号機の再稼働、規制委が初の不許可へ 審査継続希望認めず

AI要約

規制委員会は日本原子力発電敦賀原発2号機の再稼働申請に初の不許可手続きに入った。原子炉直下に活断層があり、安全基準に適合しないと判断。

原電は審査継続を求めているが、規制委は審査書案を作成し、意見募集を行う予定。再稼働不許可は10月以降に。

過去10年以上にわたり活断層の指摘がある敦賀2号機。審査会合や現地調査を経て、不適合の結論が出された。

敦賀原発2号機の再稼働、規制委が初の不許可へ 審査継続希望認めず

 原子力規制委員会は2日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の、再稼働に向けた申請を初の不許可とする手続きに入った。審査会合で原子炉直下に活断層がある可能性が否定できず、原発の安全対策を定めた新規制基準に適合しないと結論づけていた。原電は審査継続を求めたが、これまでの審査結果で判断する。

 規制委はこの日午後、原電の村松衛社長から意見聴取した。原電は審査継続を求めており、追加調査を行うとしている。村松社長は追加調査の検討状況を説明したが、具体的な調査期間は示されず、規制委の山中伸介委員長は「具体性に乏しい」と指摘した。

 規制委は、これまでの会合で新規制基準に不適合とした判断を踏まえ、審査書案を作成するよう事務局に指示した。敦賀原発2号機の再稼働に向けた申請を不許可にするための手続きとなる。今月下旬にも審査書案を了承し、30日間の意見募集を行う。正式に不許可とするのは10月以降になるとみられる。

 新規制基準では約12万~13万年前以降に活動した可能性が否定できない断層を活断層とみなす。活断層の上に原子炉建屋などの重要施設がある原発の運転は認めていない。一方、敦賀2号機は10年以上前から原子炉建屋の直下に活断層がある可能性が指摘されていた。

 規制委は昨年8月に原電が申請書を出し直して以降、8回の審査会合と2回の現地調査を実施。先月26日の審査会合では、原子炉建屋の直下に活断層がある可能性は否定できず、基準に適合しないと結論づけた。一方、原電は追加調査データの提出と審査継続を求めていた。

 これまで再稼働に向けた審査を規制委に申請した原発27基のうち、17基が新規制基準に適合すると認められ、許可された。不許可は例がない。(矢田文、福地慶太郎)