【甲子園球場100周年】球児を支え続ける縁の下の力持ち ホテル・旅館の食事のこだわり、グラウンド整備「阪神園芸」の職人技

AI要約

阪神甲子園球場の100周年を迎える。甲子園は高校野球の聖地であり、甲子園ホテル夕立荘は東京都代表校の定宿として知られる。

選手たちを支える人々が食事に気を使い、食中毒を防ぐために生ものを避け、1日3食の提供を行う。メニューは日本代表校が準決勝や決勝戦の日に特に気を配り、肉、魚、野菜のバランスを考慮したものとなる。

決勝まで進んだ場合、宿も熱気に包まれる。高校生選手たちが宿の窓から外の様子を見たり、ファンが宿の前に集まることもあり、時には宿での思い出が結婚につながることもある。

【甲子園球場100周年】球児を支え続ける縁の下の力持ち ホテル・旅館の食事のこだわり、グラウンド整備「阪神園芸」の職人技

 8月1日に100周年を迎える阪神甲子園球場(以下、甲子園)。阪神タイガースの本拠地にして、「高校野球の聖地」とも呼ばれる甲子園は、では若き高校生たちが熱き戦いを繰り広げる。そして、その球児たちを支える人々もいる──。

 甲子園球場と目と鼻の先にある「甲子園ホテル夕立荘」は、1980年頃から東京都の代表校の定宿となっている。選手たちを泊めるにあたり、最も気を使うのが食事の面だと、同ホテルの代表・島田昭一さんは言う。

「大事な試合の前に食中毒を出しては大変なので、刺身などの生ものは出しません。飲み物も一度、沸騰させたものを冷やして出すなど気を配っています。食事が出るホテルや旅館の場合、通常は1日2食ですが、高校野球の選手たちには1日3食を提供します」(島田さん・以下同)

 1日のメニューはノートに書き出して決める。昼は練習の前後に食べられるように、選手に弁当を持たせることもあった。

 たとえば2011年夏の大会で優勝した日大三高が準決勝に臨んだ朝は、のり、干物、卵焼き、ひじき、ほうれん草、ウインナー、昼はカツ丼、吸い物を。夜は、鶏の照り焼き、うなぎ、豆腐の挟み揚げ、皿うどんなどが並び、決勝当日の昼は、うな丼を出した。

「高校生ですから、やはり肉を好まれますが、そこはバランスよく魚や野菜もメニューに取り入れるようにしています」

 試合も1回戦で負けてしまえば、次の日には宿を後にするが、決勝まで駒を進めると宿も熱気を帯びる。鹿児島県の学校を30年以上受け入れてきた「やっこ旅館」代表の芳本典夫さんは、次のように振り返る。

「1994年に樟南高校の田村恵(捕手)と福岡真一郎(投手)のバッテリーが活躍したときは、ファンで宿の前があふれかえっていました。私はまだ子供だったのですが、ちょっと誇らしかったのを覚えています。選手もお年頃ですから宿の窓から顔を出して外の様子を見たりしていましたね。なかには追っかけをしていた女の子とうちに泊まった選手が結婚したと報告にきたこともありました」(芳本さん)