EVにもモータースポーツ魂を! 日産「リーフNISMO」が2代目に登場。価格は403.3万円【今日は何の日?7月31日】

AI要約

日産自動車が環境にやさしい電気自動車のリーダーであるリーフに、スポーツスピリットを注入したNISMOリーフが誕生した。

リーフNISMOは走りのスペシャリストであるNISMOが手掛けたEVスポーツモデルで、リーフのベースにスポーティさを付加したモデルである。

日産のEV技術は進化を続け、最新のモデルでは航続距離が約450kmに達し、価格や性能面での向上が見られる。

EVにもモータースポーツ魂を! 日産「リーフNISMO」が2代目に登場。価格は403.3万円【今日は何の日?7月31日】

一年365日。毎日が何かの記念日である。本日7月31日は、環境にやさしい電気自動車のリーダーである日産自動車「リーフ」に、NISMOならではのピュアスポーツスピリットを注入した「NISMOリーフ」が誕生した日だ。

TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・clicccar

■EVのスポーティさをアピールしたリーフNISMO

2018(平成30)年7月31日、EVのパイオニアとして人気の日産自動車「リーフ」のスポーツモデル「リーフNISMO」がデビュー。走りのスペシャリストNISMOが手掛けるNISMOシリーズに、スポーティさをアピールするEVが加わったのだ。

NISMOシリーズは、NISMOが手掛けるチューンナップカー

NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は、1984年に日産のワークスチームのひとつだった「大森ワークス」を子会社化して設立。日産のワークスチームとして、国内外のモータースポーツに参戦し、数々のタイトルを獲得している。

また、そのレースで培った技術とノウハウを生かして、市販用のチューニングパーツを開発・販売し、さらに市販車をチューンナップしたコンプリートカーを、NISMOシリーズとして販売している。

NISMOシリーズの第1弾は、2013年にデビューした「ジュークNISMO」であり、その後「マーチNISMO」、「ノートNISMO」、「フェアレディZ NISMO」、「GT-R NISMO」、「セレナNISMO」に続き、リーフNISMOが第7弾となる。

リーフNISMO EVのベースは進化した2代目リーフ

2010年にデビューした本格的なEVリーフは、フロント部に最高出力80kW/最大トルク280Nmを発生する駆動モーターを搭載したFF駆動の5人乗りハッチバックモデル。床下に、容量24kWhのラミネート型リチウムイオン電池を搭載して、満充電時の航続距離200km(JC08モード)を達成した。

当初は、航続距離が200kmでは短いという声が聞かれたが、2012年には航続距離が228km(JC08モード)、2015年には30kWhのバッテリーを搭載して航続距離は280kmへと改良された。

そして、2017年10月にモデルチェンジした2代目リーフが登場。従来よりもロング&ワイド化して空力に優れたダイナミックなスタイリングに変貌し、さらに性能的にはバッテリー容量が40kWに増強され、航続距離は400km(JC08モード)/322km(WLTCモード)まで大幅に向上したのが特徴である。

さらに2代目リーフでは、プロパイロットやプロパイロットパーキング、e-Pedal(回生ブレーキを強め、アクセルペダルの操作のみで速度調整する)などに加えて、インテリジェントLI(車線逸脱防止)、LDW(車線逸脱警報)、BSW(後側方車両検知)など先進の運転支援技術も採用された。

環境にやさしいEVとスポーツスピリットが合体したリーフNISMO

2018年のこの日、2代目リーフをベースにリーフNISMOが誕生した。専用のレイヤードダブルウイングやフロントグリル、前後バンパー、ドアミラー、18インチホイール、専用のハイグリップタイヤ、サスペンションなどを装備し、また走りに関するいろいろな制御をチューンナップするなどして、EVの走りに一層の磨きをかけた。

電池容量はベースと同じ40kWhで、最高出力110kW/最大トルク320Nm、航続距離400km(JC08モード)もベースと同じ。車両価格は、グレードSの315万円より約90万円高い403.3万円に設定された。

リーフの持つ優れた環境性能と安全技術に、NISMOのスポーツスピリットを注入したリーフNISMO。EVは、“おとなしくて、つまらない”という一部のネガティブな意見を一掃するモデルとなった。

電池技術とともに進化するリーフ

その後、日産は2019年にリーフの性能と航続距離を向上させた「リーフe+」を追加。新しい電動パワーユニットは、バッテリー容量を40kWhから60kWh に増大し、同時にモーター出力もパワーアップ。その結果、1回のフル充電による航続距離は、322kmから450km(WLTCモード)まで向上した。

リーフe+は初代リーフと比べると、バッテリー容量が2.5倍(60/24)、航続距離は2.8倍(運転モードが異なるので推定)に延びている。航続距離は、概ねバッテリー容量に比例するが、限られた車体の床下に収めるために約10年の間にバッテリー自体のサイズが半分程度にコンパクト化し、バッテリーのコストも大幅に下がっていることが分かる。

さらに2022年には、新型の軽EV「サクラ」が発売された。電池容量は、20kWhで航続距離は180km(WLTCモード)、価格は標準グレードで254.9万円。国と地方自治体の補助金を差し引くと、150万円程度になる。EVの課題である価格や航続距離は、着実に改善されているのだ。

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EVは、環境対応技術の切り札として日本ではどうしても大人しいイメージがつきまとう。一方海外では、ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニなどが、数多くのEVスポーツカーをラインナップしている。日本でも今後、リーフNISMOのように高性能スポーツEVが登場するのではないだろうか。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。