未開の地ツアー向け「観光バス」を発見! 65%の登坂もできるチェコの「35人乗りバス」のとんでもない中身

AI要約

プラハを拠点とするチェコのトルサスが製造するプレトリアンは、世界でも最も頑丈で高性能なオフロードバス。

MAN製のエンジンを搭載し、オフロード性能を高めるための装備も充実しており、乗員にはビジネスクラス並みの快適さを提供。

シェル、バス、マインサイトの3タイプを用意し、世界中のMANディーラーでのメンテナンスも可能。価格も考えると日本国内で秘境ツアーにも活用できそう。

未開の地ツアー向け「観光バス」を発見! 65%の登坂もできるチェコの「35人乗りバス」のとんでもない中身

 間違いなく男子が欲しがるバスを発見しました。その名もプレトリアン! チェコのトルサスというメーカーが「世界でももっとも頑丈で高性能なオフロードバス」を作っちゃいました。

 なにしろ、プレトリアンという車名は、古代ローマ帝国の精鋭部隊「プラエトリアンガード」などといかつい由来。この部隊は「世界初の特殊部隊ともいわれ、最高の戦闘能力と冷静さをもつベテラン兵士たちで構成されていた」とのことで、プレトリアンはそんな野郎どもが荒野をブイブイ進むのにもってこいな乗り物なのです。

 トルサスというメーカーは、前述のとおりチェコの首都プラハに本拠を置くバスを製造するファクトリーが発祥だそうです。ドイツの商用車メーカー「MAN」からベアシャシーやエンジンを仕入れたり、フォルクスワーゲンから仕入れたベース車両をフルカスタムしてオリジナルなバスを製造。

 現在ではプレトリアンに加え、大型バンのテラストームという2タイプをラインアップし、ヨーロッパはもとより、オーストラリア、アフリカ、南米といったエリアに進出しているとのこと。だいたい冒険野郎が出かけるエリアを網羅、という感じですね。

 当然のことながら、角断面フレームのベースからほとんどが手作りです。完成車は全長8700mm×全幅2540mm、車両重量は13.4トンといいますから、バスの世界ではミドルクラスに相当かと。ここにMANが作った6.9リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最高出力290馬力・最大トルク1150Nmというセッティング。公式動画を見れば、それなりのダッシュをしているので、都バスをぶっちぎるくらいのパフォーマンスは十分あるのでしょう。

 オフロード性能を高めるための装備としてはデフロック機構付きの4WDシステムがあり、365/80R20のミシュランXZLというブロックパターンのタイヤをチョイス。ちなみにリヤはダブルタイヤでなくシングル仕様となっています。

 最低地上高400mm、斜度65%の登坂が可能と豪語しており、これまた荒地を走っているシーンを見ると決してウソや誇張ではなさそうです。トルサスの公式サイトでは「道なき道」でも「35名の乗員」を「快適に運んでくれます」とうたっていますが、でこぼこ道をグイグイ走れば乗員はたまったものではない気もします(笑)。

 ですが、さすがバスメーカーだけあって、乗員向けシートはビジネスクラス並み! USB電源や個別のTFTモニター(スマホと連動可能)、そして3点式シートベルトなど、これから炭鉱や油田の突貫工事をする方々にとってはうれしい限りのアメニティかと。

 だいたい、プレトリアンは未開の地へ出向くわけですから、車内はエアコンの性能もバッチリだそうです。室内温度が60℃であっても15分で20℃まで下げられる上、暖房設備と断熱材にもこだわっており、外気温がマイナス10℃であっても室内を20℃以上に保つことが可能。

 プレトリアンは前述のとおり荒地の先へ乗員を運ぶバスタイプに加え、購入者のオーダーに応じて内装をカスタムするプレーンシェル、さらにマインサイトと呼ばれるガチで道なき道、落石や崩落のあるエリアを走破するタイプの3タイプが用意されています。いずれも、6年間、または90万キロの保証(!)がつき、世界各国のMANディーラーでのメンテナンスを受けることが可能。

 価格はベースモデルとなるシェルが223510ユーロ(約3700万円)、35人を乗せるバスは240500ユーロ(約4000万円)と、さほど驚くような金額ではありません。これなら、日本国内でもどこかの山奥で秘境の隠れ温泉ツアーとかなんとか営業するというのもアリかと。

 いずれにしろ、全長8mのオフローダーで悪路を豪快にぶっ飛ばす! というのは男子なら誰もが憧れるのではないでしょうか。