新大阪駅と関空を結ぶ新ルートが構想中! 大阪の「新線」と接続する、阪急の新たな「独立路線」

AI要約

新大阪駅に乗り入れる新たな私鉄路線の建設構想が進められている。阪急電鉄が大阪駅から新大阪駅までの路線を構想しており、新大阪駅に乗り入れる計画である。

阪急は2031年のなにわ筋線の開業にあわせ、なにわ筋連絡線の開業も検討している。新大阪駅付近には新線建設用地や橋脚が準備されており、トンネルで新大阪駅へ乗り入れる予定。

なにわ筋線と新線を組み合わせることで、新大阪駅から関空へのアクセス改善が図られる。阪急車両は狭軌で建設されたなにわ筋連絡線で運行される予定。

新大阪駅と関空を結ぶ新ルートが構想中! 大阪の「新線」と接続する、阪急の新たな「独立路線」

 東海道新幹線の終点で、山陽新幹線の起点でもある新大阪駅には、私鉄は大阪メトロ御堂筋線しか乗り入れていません。現在、同駅に乗り入れる新たな私鉄路線の建設構想が進められています。

 その路線を構想しているのは、阪急電鉄。大阪駅から十三駅を経由し、新大阪駅に至るという路線構想です。大阪駅は、うめきたエリアにあるJR西日本の地下ホームを使用。大阪駅でJR線と直通する計画となっています。

 阪急はもともと、淡路~新大阪~十三間、新大阪~神崎川間の短絡線を建設する構想を持っていました。これらは国からの鉄道事業許可も得ていたのですが、阪急は2002年12月、新大阪~十三間を残し、鉄道事業許可の廃止を届け出ていました。残る区間も具体的な建設に向けた動きは見られませんでしたが、2017年に策定された「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」において、阪急は「新大阪連絡線」の整備について触れており、計画が消えたわけではありませんでした。

 また、2017年には、大阪府、大阪市、JR西日本、南海、阪急の5者連名によるプレスリリース「なにわ筋線の整備に向けて」が発表されました。その中では、北梅田駅(現在の大阪駅うめきたエリア)から十三駅に至る「なにわ筋連絡線」の整備に向けた調査を実施すると説明されています。さらにその後も、公式発表ではありませんが、マスコミ各社が「大阪~十三~新大阪間の新線を阪急が建設する」と報じています。

 なにわ筋線とは、うめきたエリアからなにわ筋を通り、JR難波駅と南海の新今宮駅を結ぶ計画の路線。現在は大阪環状線を通る「はるか」や、難波駅から発着している「ラピート」が通る計画となっています。このなにわ筋線と、阪急が構想している新線を組み合わせることで、新大阪駅から関空へのさらなるアクセス改善を図る狙いです。

 ところで、阪急が各線で採用しているレール幅は、1435ミリの「標準軌」。JRや南海が採用している1067ミリの「狭軌」とは異なり、直通運転はできません。各報道によれば、阪急はなにわ筋連絡線を狭軌で建設し、なにわ筋線との直通運転を実施する計画だといいます。既存の阪急の各路線とは、十三駅で乗り換えこそできますが、線路はつながっていない「独立路線」となります。また、車両も南海と共通仕様になるとのことで、外観のマルーンや車内の緑色の座席などは阪急仕様と考えられますが、既存の阪急車とは異なる雰囲気の車両が登場しそうです。

 阪急では、2031年度を予定するなにわ筋線の開業にあわせ、なにわ筋連絡線を開業させることを検討しているようです。また、かつての淡路~新大阪~十三間の建設計画に対応し、新大阪駅付近には新線建設用地や橋脚が準備されています。しかし、なにわ筋連絡線は、これらの準備設備を活かすのではなく、トンネルで新大阪駅へと乗り入れることになるようです。