ズバリ役立つ「信用残高」の見方 「信用買い・売り×株価の上下」で個人投資家と機関投資家の動きを掴み、8パターンのトレンドで今後の株価を予想

AI要約

信用取引とは現金や金融商品を担保として証券会社に預け、証券会社から売買に必要な現金や株式を借りておこなう取引のこと。

信用残高が増減することで株価動向を予想する方法やパターンについて解説されている。

買い残が増えて株価が上がっている場合、機関投資家と個人投資家の動向に注目する必要がある。

ズバリ役立つ「信用残高」の見方 「信用買い・売り×株価の上下」で個人投資家と機関投資家の動きを掴み、8パターンのトレンドで今後の株価を予想

 信用取引とは現金や金融商品を担保として証券会社に預け、証券会社から売買に必要な現金や株式を借りておこなう取引のこと。信用取引を用いた売買の情報は公開されており、今後の株価の動向の予測に役立てることができる。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第101回は、「信用残高の見方」について。

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 信用の買い残高を信用の売り残高で割った信用倍率が1倍を割っていたら、短期的には株が上がりやすいということについて以前の記事で解説しました。今回は、もう少し信用の買い残、売り残の見方について深掘りしていきます。

 信用の残高というのは、信用取引でまだ反対売買をしていない未決済残高のことをいいます。つまり信用買い残は、買ったけどまだ売っていない(これから売られる)、信用売り残は、空売りしているけど、まだ買い戻していない(これから買い戻される)状態です。

 信用残高は、東京証券取引所が週末のデータを翌週の第2営業日に公表しています。この信用残高が増えているか、減っているかを見ることで、今後の株価動向を予想することができます。以下、8つのパターンを覚えておきましょう。

 買い残が増えて、株価が上がっている場合は、さらに上昇する可能性が高いです。これは個人投資家も機関投資家も足並み揃えて買っている場合が多く、力強い上昇を意味します。

 買い残が減少して、株価が上がっている場合は、個人投資家は売っているけれど、それ以上に機関投資家が買っている可能性が高く、比較的長く株価が上昇すると考えられます。

 買い残が増えて、株価が下がっている場合は、ナンピン買いをして評価損が膨らんでいる投資家が多いので、心理状況が悪くさらに下がる可能性があります。

 買い残が減って、株価が下がっている場合は、売らなきゃいけない人はおおむね売ってしまい、そろそろ底打ちが近いことを表します。