日産の2024年4~6月期決算、北米赤字で営業利益が99.2%減 通期予想も1000億円下方修正

AI要約

日産自動車は2025年3月期の通期業績予想を修正し、想定為替レートの影響で売上高は上方修正されたが、営業利益と当期純利益は下方修正された。

米国の事業環境悪化や北米事業の赤字などが影響し、4~6月期の業績は大幅な減益となった。

北米や中国の販売台数見込みが修正され、新型車の投入を積極化して今期の計画達成を目指すという。

日産の2024年4~6月期決算、北米赤字で営業利益が99.2%減 通期予想も1000億円下方修正

 日産自動車は25日、2025年3月期の通期業績予想を修正したと発表した。想定為替レートを円安方向に見直したことで売上高は14兆円と期初予想に比べ4千億円、上方修正したが、販売低迷や販売費用の増加などで営業利益は同1千億円減の5千億円、当期純利益は同800億円減の3千億円に下方修正した。4~6月期に米国の事業環境が悪化し、市場別事業利益が赤字に転じた影響が大きい。世界販売見通しは365万台(期初見通しは370万台)とわずかに引き下げた。

 4~6月期の営業利益は、前年同期比99.2%減の9億9500万円と大幅な減益となった。世界販売台数は78万7千台と前年同期比0.2%減の微減だった。ただ、収益の柱である北米で在庫やインセンティブ(販売奨励金)が増加したこと、ハイブリッド車(HV)の需要拡大などで、北米事業の損益が209億円の赤字(前年同期は1320億円の黒字)となった。

 こうした結果を踏まえ、通期見通しを修正した。市場別では北米の販売台数を期初予想よりも2万台少ない141万台に、中国の販売台数を3万台少ない77万台に修正した。想定為替レートを1ドル=155円、1ユーロ=167円へとそれぞれ10円ずつ円安方向に見直したが、足元のドル円の実勢レートは152~153円。今後の為替動向次第では下振れ要因にもなる。

 3月に発表した新3カ年中期経営計画では「質は改善したが、基礎台数には課題があった」(内田誠社長)とし、3年で世界販売を100万台増やす計画を掲げたばかりだ。初年度最初の決算で下方修正を強いられる厳しい状況だが、内田社長は「新型車の投入を積極化し、まずは今期の計画を達成していきたい」と語った。