いすゞ、普通免許で運転できる「エルフミオ」のディーゼル車を7/30に発売 最大積載量は1.35t

AI要約

いすゞ自動車が新型車「エルフミオ」のディーゼル車を発売すると発表。普通免許で運転可能な国内唯一のディーゼルトラックで、オンライン販売を導入して新たな顧客を開拓する。

新型車は車両寸法は同じだが、排気量1.9㍑のエンジンと6速自動変速機を採用。最大積載量を確保しつつ車両総重量を3.5㌧未満に抑えた。

エルフミオストアというオンライン販売システムを導入し、7年/9年間のメンテナンスリースも取り扱う。顧客の利便性を高めつつ、販売会社の業務負担軽減を図る。

いすゞ、普通免許で運転できる「エルフミオ」のディーゼル車を7/30に発売 最大積載量は1.35t

 いすゞ自動車は24日、小型トラック「エルフミオ」の電気自動車(EV)仕様に続き、ディーゼル車を30日に発売すると発表した。普通自動車免許で運転できるよう、車両総重量(GVW)3.5㌧未満に抑えた。商用車メーカーとして初めてオンライン販売システムを導入するなどし、従来は接点がなかった顧客も開拓する。初年度の年販計画は5千台、2030年度には年1万2千台(ともにEV含む)を目指す。

 新型車は、現行の普通免許で運転できる国内唯一のディーゼルトラックとなる。南真介社長は「小売業や建築業など、これまでアプローチできていなかった客層がいる。選択肢を提供し、社会課題を解消していきたい」と語った。

 昨年発売した「エルフ」をベースに開発した。車両寸法はベース車と同じだが、パワートレインはベース車より小型の排気量1.9㍑エンジン「RZ4E」とアイシン製6速自動変速機を採用。フレームの改良や足回りの見直しによりベース車と比べて約200㌔㌘軽くし、最大積載量1.35㌧を確保した上でGVW3.5㌧未満の車両に仕上げた。

 オンライン販売「エルフミオストア」は、商談の申込みから車両契約までオンラインで完結する仕組み。一定期間を経れば途中解約できる7年/9年間のメンテナンスリースを扱う。商談はいすゞや全国の販売会社で研修を受けたスタッフが担うが、将来的には人工知能(AI)を活用した商談も検討する。国内販売担当の能登秀一執行役員は「顧客の利便性を高めるとともに、人手不足に悩む販売会社の業務負担の軽減につなげる」と語った。

 いすゞによると、エルフミオが該当する積載量1.5㌧クラスの市場規模は年間2万~2万5千台。ドライバー不足が深刻化するなか、普通免許で乗れる商用車は需要の増加が見込まれる。こうした車両は現在、トヨタ自動車「ダイナ」(ガソリン車)だけだ。日野自動車といすゞはそれぞれEVを設定しているが、ディーゼル車では今回のエルフミオが唯一の車両になる。

 南社長は「ディーゼル車はガソリン車に対して燃費も動力性能も優れる。将来系には比率が高まるが、EVも価格はまだ高い」とし、ディーゼル車の特徴を積極的にPRして拡販する考えを示した。

 主力モデルのシングルキャブ・平ボディー・フラットロー仕様の車両価格は365万5千円(消費税込み、東京地区)。