「かき氷の旗」なぜ同じデザインなの? 夏に見かける“赤い氷と波模様”

AI要約

かき氷の氷旗のデザインの起源と意味について紹介。

明治時代に氷の品質を保証するために設けられた営業許可証としての「氷旗」の歴史。

現代でも安心な水で作られるようになったが、氷旗のデザインはシンボルとして残っている。

「かき氷の旗」なぜ同じデザインなの? 夏に見かける“赤い氷と波模様”

 やっぱり夏には、かき氷が欠かせません。今の時期、全国各地でかき氷の旗を見かけますが、なぜどこでも同じようなデザインなのでしょうか?

 番組で各地の旗を調べてみました。多少のバリエーションはありますが、全国ほぼ同じデザインでした。その理由はどれでしょうか?

1. 流行の浮世絵

2. のれん分け

3. 営業許可証

【正解】3. 営業許可証

 日本かき氷協会の小池隆介代表によると、この旗は「氷旗」と呼ばれ、良質な氷を扱っていると政府が認めた証ということです。

 街でも氷が売られるようになった明治時代の様子を描いた『氷水売(明治35年)』も残っています。当時は冷凍庫もなく、北海道・函館から船で運ばれてくる天然氷に頼っていたわけです。

 みんなが「欲しい、欲しい」となるなか、悪いことを考える人によって、ある問題が起きました。一体、何があったと思いますか?

 それは、田んぼの水で作ったような粗悪な氷も出回り始めたのです。確かに、かき氷みたいに加工されてしまうと、きれいなものか汚いものかも分からなくなってしまいます。

 そこで明治政府が立ち上がりました。1878年に「氷製造人並販売人取締規則」を制定し、氷の衛生検査を実施し、合格した氷の生産地と販売者をのぼりなどで示すことを義務付けました。

 かき氷屋さんとしても「品質が保証された氷を使っているという証」として、掲げることになりました。今でいう「営業許可証」のようなものです。当時この「氷旗」は、明治時代からのもので赤い文字に波模様と、今の旗に通じます。 

 小池代表によると、氷の文字の上には、政府が許可したことを示す「官許(政府が許可)」、氷の文字の下には「産地(企業名)」、波模様は「海を越えて運搬した氷だから」ということです。

 今は、安心な水が機械で作られるようになったので、許可証としての意味合いは薄れていきましたが、シンボルとして今もデザインが残っているということです。

(スーパーJチャンネル「なるほどハテナ」2024年7月17日放送)