「幼少期に親の性交渉を目撃」「独身より既婚者男性が多い」…盗撮犯が誰にでもなりうる「衝撃の理由」

AI要約

盗撮マニアによって「聖地」と呼ばれる西船橋駅は、女子高生が多く通学するため盗撮しやすい場所として知られている。駅の構造によって盗撮を行うための待機場所が豊富であり、盗撮被害が後を絶たない状況だ。

小型化・高性能化が進む盗撮グッズの普及により、盗撮犯の手口は巧妙化している。これらの商品はインターネット上で簡単に入手可能であり、無音で行われる盗撮は被害者に気づかれにくい。

盗撮犯の多くは30~100回以上の盗撮経験を持ち、現行犯で捕まることが稀である。盗撮動画が販売される「闇マーケット」も存在し、市場規模は大きく、警察の捜査が容易ではない。

「幼少期に親の性交渉を目撃」「独身より既婚者男性が多い」…盗撮犯が誰にでもなりうる「衝撃の理由」

前編記事『千葉県に盗撮マニアが「聖地」と呼ぶ駅があった…恐るべき「盗撮ステーションの実態」』の続きである。

西船橋駅が「聖地」と呼ばれる理由は二つある。

ひとつは多くの女子高生が通学路として駅を利用すること。そしてもうひとつは、駅の構造的に盗撮をしやすい場所が非常に多いことだ。

西船橋駅の改札は2階にあるのだが、京葉線・武蔵野線を利用する場合は3階のホームまで上らなくてはいけない。このときに使うエスカレーターが20メートルと長いため、盗撮時間を確保することができる。

加えて、2階には様々な売店が並ぶ広いスペースがあるため、盗撮犯にとってターゲットを見定めるちょうど良い待機場所になっている。ある警察関係者はこう語る。

「残念ながらいくら警告文や盗撮抑止ミラーなどの対策をしても、盗撮被害が起きてしまっているのが現状です」

これほどの対策があっても、なぜ盗撮は減らないのか。その理由を解明するには、盗撮犯たちの実態を知る必要がある。

ここ数年は「盗撮グッズ」の小型化・高性能化が著しい。ペンや腕時計、充電器、メガネに偽装した巧妙なカメラが次々と登場。通信機能がついているものも多く、小型カメラで撮影しながら、スマホでズーム操作を行うことも可能だ。こうした手口は無音で行われるため、気づくのは難しい。

しかも、こうした商品はインターネット上で安価で簡単に入手できる。10年ほど前は2万~3万円ほどしたものが、中国製の廉価版が普及したことで3000円もあれば買えてしまう。

そして、盗撮という性犯罪が備える「特殊性」こそ、盗撮犯が後を絶たない原因と言えよう。

これまで盗撮などの性被害に関する刑事事件を700件以上も担当したことがある河西邦剛弁護士が、衝撃の実態を語る。

「捕まる人の大半は、30~100回くらい盗撮した経験があります。なかには1000回以上も盗撮して、ようやく捕まる人もいます」

かつて私の取材に「盗撮は誰にも危害を与えない『安心・安全な趣味』なんです」と話した盗撮犯がいたが、盗撮は対象者に気づかれにくく、現行犯で捕まることがきわめて少ない。統計上の検挙件数は氷山の一角なのだ。そして、捕まらないからこそ彼らの行動はエスカレートしていく。

その典型的な例が、盗撮動画の販売だ。

インターネット上には「盗撮サイト」と呼ばれるホームページがいくつも存在していて、そこでは盗撮動画が販売されている。いわば、盗撮犯による「闇マーケット」だ。

この闇マーケットの市場規模は100億円をくだらないとされている。昨年2月に迷惑防止条例違反で逮捕されたある盗撮犯は、動画販売で約1億5000万円も売り上げていた。たったひとりで、ここまでの大金を得られるのだ。

当然、警察は「闇マーケット」の存在を知ってはいるが、海外にサイトのサーバーが置かれるなど手口が巧妙なため、捜査の手が及びづらい。

こうしたサイトにおいて、動画を販売する盗撮犯は「神様」「カリスマ」などと惜しみない賞賛を浴びる。それどころか「あなたに憧れて、私も(盗撮を)始めました」というコメントもある。教祖のような扱いを受けた結果、罪悪感は薄れてしまい、もういちど褒めてもらうために盗撮を繰り返していくわけだ。