あと11年間も月2万円の「奨学金返済」ができるか分からない…。返済しながら「貯金」はさすがに難しいですか?

AI要約

大学に進学する半数近くが奨学金を利用しており、その数は増加している。

奨学金の返済額や負担感について調査結果を示し、多くの人が返済に苦しんでいる実態が明らかになっている。

返済期間や毎月の返済額についても詳細を紹介し、無理なく生活しながら奨学金を返済する方法を考える必要がある。

あと11年間も月2万円の「奨学金返済」ができるか分からない…。返済しながら「貯金」はさすがに難しいですか?

奨学金制度を活用して大学に通う人は半数近くにも及ぶようです。卒業して社会人になると奨学金の返済が始まりますが、なかには長期間の返済を負担に感じる人もいるでしょう。家計が苦しくなったり、貯金ができずに老後資金に影響が出たりすることも考えられます。

そこで今回は、奨学金制度を利用している学生の割合や、毎月の返済額と負担感について調べてみました。奨学金を返済しながら無理なく生活し、貯金する方法についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。

独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度 学生生活調査結果」によると、大学に進学する人の半数近くが奨学金を利用していて、その数は増加が続いています。学校区分別に奨学金の受給率をまとめると以下の通りです。

・大学学部(昼間部):55.0%

・短期大学(昼間部):61.5%

・修士課程:51.0%

・博士課程:58.9%

・専門職学位課程:41.4%

労働者福祉中央協議会の「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書(2022年9月実施)」によると、奨学金の種類で最も多かったものが「有利子(61.4%)」で、「無利子」は49.4%、「給付」は2.0%でした。給付や無利子の場合でも、不足分を補うために有利子も借りている人もいるようです。

社会人になると奨学金返済が始まりますが、返済額は借入総額によって異なります。労働者福祉中央協議会によると、借入総額の平均は310万円で、金額別の割合をまとめると以下の通りです。

・100万円~200万円未満:19.5%

・200万円~300万円未満:25.8%

・300万円~400万円未満:17.0%

毎月の返済額については平均が1万5000円ほどで、金額別でも「1万円~1万5000円未満」が34.2%で最も多い回答でした。返済期間は平均14.5年ほどです。毎月の返済が負担になっているかについての回答は以下の通りです。

・余裕がある:9.6%

・何とかなっている:45.9%

・少し苦しい:23.7%

・かなり苦しい:20.8%

同調査から、奨学金を毎月1万5000円、14.5年間かけて返済することを負担に感じている人は44.5%もいることが分かります。「あと11年間も月2万円の奨学金返済ができるか分からない」と感じる方がいても、珍しいことではないといえるでしょう。