意外と多い、「孤独で苦しんでしまう人」の意外な共通点

AI要約

孤独な人が他人にコンタクトを試みるものの、反応がなくさらに孤独感が強まる様子が描かれている。

反応があった場合も、孤独は解消されず一方的にしゃべり続けて喧嘩に発展する展開が描かれている。

孤独な人の心情や行動がコミカルに描かれており、社会問題に対する皮肉が込められている。

意外と多い、「孤独で苦しんでしまう人」の意外な共通点

わたしたちはいつまで金銭や時間など限りある「価値」を奪い合うのか。ベストセラー『世界は経営でできている』では、気鋭の経営学者が人生にころがる「経営の失敗」をユーモラスに語ります。

※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。

「他人が自分を尊重してくれない」――そうした孤独はなぜ生まれるか、どう向き合ったらいいのか。

〈街を歩いていて、ふと、何か面白いことを思いつく。私の場合でいえば、よく「実際にお会いすると意外と大きいんですね」と言われるのだが、「映像や文章では人間の小ささが強調されてまして」と返答するという冗談を思いついたりする。

さっそく先ほどの自分の思い付きをどうしても誰かと話したくなる。

こんなとき孤独な人が次にとる行動は、ひたすらメールやダイレクトメッセージを友人または友達以上恋人未満の気になる人に送りまくることだ。だが返信はこない。これじゃ足りないかとばかりに追加でメッセージを送信しまくる。返信はこない。

だんだんと怒りと悲しみがこみあげてくる。負けるもんか、と、今度はその友人に電話をかけまくる。いわゆる鬼電というやつだ。電話をかける鬼になったつもりで発信ボタンを連打することを鬼電という。誰も電話にでない。仕方がないので、しばらく顔を合わせていなかった父母兄弟姉妹子女に電話する。電話にでない。

折り返し電話がかかってくる。そこで親戚との電話は早々に切り上げて父母兄弟姉妹子女と話しだす。〉(『世界は経営でできている』より)

誰かから反応があったとして、それで孤独は解消されるのか。

〈ようやく孤独を癒やせる、とばかりに孤独な人は一方的にしゃべり散らす。どうでもいいことをしゃべる、しゃべる。電話の向こうでは「またか」とばかりにスマホをスピーカーモードにして音は最小にされている。固定電話であれば受話器をわきに置かれている。孤独な人は空気を相手に必死でしゃべっているわけだ。

そのうちに孤独な人は、電話の向こうの相手が自分の話をまともに聞いていないことを感づき「どういうつもりだ」と問いただす。説教を始める。しかし相手の平謝りに対してもなんだか誠意を感じない。怒りを爆発させ相手をなじる。

相手が「こっちだって忙しい」と逆上してくる。そうして喧嘩に発展する。みじめさに涙があふれてくる。〉(『世界は経営でできている』より)