製造業者の生成AI導入ペース鈍化 精度に懸念=調査

AI要約

製造業におけるAI導入が予想より遅れており、精度への懸念があることが明らかになった。

製造業のリーダーのほとんどがAI支出を増やす計画があり、高価な商用AIモデルの採用が増加している。

米国のVC資金調達が急増し、AI企業への投資が増加している。

製造業者の生成AI導入ペース鈍化 精度に懸念=調査

[10日 ロイター] - 製造業での生成AI(人工知能)の導入ペースが予想より遅いことが、ルシッドワークスが10日に公表した調査結果で明らかになった。精度への懸念が理由という。一方、製造業に携わる50%近くがAIの導入により、今年のコスト削減効果の増大につながったと回答した。

調査はAI技術の意思決定に関わる世界のリーダー2500人超を対象に行われた。このうち、2024年にAIへの支出を増やす予定と回答した製造業のリーダーの割合は58%にとどまり、全体平均の63%、米国平均の69%をいずれも下回った。

23年の調査では、全体では93%、製造業も93%がAI関連の支出増加を計画していた。ルシッドワークスのマイク・シノウェイ最高経営責任者(CEO)は「多くの製造業は、生成AIの潜在的な利点を認識しているものの、応答の精度や費用などの課題があるため、より慎重な態度を取るようになっている」と指摘した。

AIによる応答精度への懸念があると回答したのは全体で36%だった。このうち製造業では全体を上回る44%に達した。

製造会社の70%が過去1年間に、より価格の高い商用AIモデルを採用した。ただ、より低い価格で同等の効率性などが得られるならば、低価格モデルへの移行が起こる可能性もあるとみられる。

ピッチブックが先週公表したデータによると、米国のベンチャーキャピタル(VC)の資金調達額は直近の四半期で急増した。AI企業への多額の投資がそれをけん引した。投資家はAI導入による収益が大きな利益につながるとみて、新興企業に資金を投じている。