転職、結婚、起業「人生設計は早いほうがいい」は大間違い…成功確率の高い意思決定ができる人の計画の立て方

AI要約

人生の大きな岐路での意思決定はいつするのがいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは、「人生設計は遅いほどよい」と述べています。長期的な計画よりも短期的な計画の方が選択肢が多く、計画実現の精度も高いとの考えです。

鈴木邦成さんは、人生設計と需要予測を比較し、未来を見通す能力の重要性を強調しています。予測の精度は未来が近いほど高まるため、早すぎる人生設計よりも遅い段階での計画立案が有利だと述べています。

物流の視点からも、商品の短ライフサイクルや短リードタイムの重要性が説かれています。未来を予測して最適化するためには、近い未来に焦点を当てることが重要であると示唆されています。

人生の大きな岐路での意思決定はいつするのがいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「私は常識とは真逆で『人生設計は遅いほどよい』と考えている。人生を長期的に設計すれば緻密になるが、その途中で社会状況は大きく変わる。短期的な計画というのは一見、行き当たりばったりのようなイメージがあるが、実は長期的な計画に比べて、選択に関する情報量が格段に多くなり、長期計画に比べて計画実現の精度も上がってくる。大切なことは『昨日、今日、明日のワンセット』と考えることだ」という――。

 ※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■人生設計も需要予測も「いかに未来を見通せるか」

 人生設計というのは早ければ早いほどよい。小学生くらいから将来を決めても構わない――こう考える人も少なくありません。

 しかし、私の考えはちょっと違います。常識とは真逆で、「人生設計は遅いほどよい」のです。

 その理由を物流などで行われる需要予測の考え方から説明したいと思います。

 人生設計も需要予測も、「未来を予測して、そのシナリオを最適化する」というのがメインテーマとなります。つまり、「いかに未来を見通せるか」がポイントになります。

 そこで考えたいのは「予測の精度」です。未来を予測する場合、それが近くに迫っていればいるほど精度は上がります。

 たとえば、1年後の今日のあなたが何をしているかを考えてみてください。おそらく何をしているのか、思いつかないと思います。

 では、5分後のあなたはどうでしょうか。現時点の延長でもあるので、ほとんどの人が自分の行動を高い精度で予想できると思います。

 そうなのです。未来は近ければ近いほど予想しやすくなるのです。

 それではこれをどのように物流の視点から考えればよいでしょうか。物流の立場から言語化すると、これは「商品は短ライフサイクルで開発、短リードタイムで商品を供給、在庫は最小限」ということになります。