ハンガリー首相がモスクワ訪問、プーチン氏と会談-EU首脳ら非難

AI要約

ハンガリーのオルバン首相がロシアのプーチン大統領と会談。オルバン氏は欧州連合議長国としての地位を持ち、モスクワ訪問で特別な意味を加えた。

オルバン首相のロシア訪問が他のEU加盟国から厳しい反応を呼んでいる。欧州委員会のフォンデアライエン委員長やリトアニアのナウセダ大統領らが批判の声を上げている。

プーチン大統領府によると、プーチン氏とオルバン氏の会談は数時間続くとの見通し。

(ブルームバーグ): ハンガリーのオルバン首相が5日、モスクワを訪問しロシアのプーチン大統領と会談した。オルバン氏は数日前にウクライナのキーウを訪れたばかり。同氏は「平和使節」を自称するが、ハンガリーは輪番制の欧州連合(EU)議長国を務めるだけに、他のEU加盟国首脳からEUを代表する権限は同氏にないと非難の声が上がっている。

ハンガリーは7月1日に任期半年のEU議長国に就任。オルバン氏はプーチン氏との会談に先立ち、EU全体を代表して話す意図はないと説明した。

だが、モスクワでプーチン氏と並んで立ったオルバン氏は、EU議長国としての地位が会談に特別な意味を加えていると主張。「戦争の両陣営とまだ話せる状態にある国の数は減り始めている」と述べた。

一方、プーチン氏はオルバン氏のキーウ訪問に言及し、戦争の「細かな差異」を同氏に伝えたいと語った。

このモスクワ訪問は、議長国としてのハンガリーの振る舞いを既に懸念していた他のEU加盟国の厳しい反応を呼んだ。オルバン氏のロシア到着後、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「融和策でプーチン氏は止められない」とX(旧ツイッター)に投稿した。

リトアニアのナウセダ大統領はさらに踏み込み、「本当に平和を模索するなら、残虐な独裁者と握手はしない。全ての努力をウクライナ支援に注ぐはずだ」とXで主張した。

ドイツのショルツ首相はオルバン氏のロシア訪問計画について事前連絡はなかったと記者団に明らかにし、「EUの外交政策はミシェル大統領が代表する欧州理事会が担う。ハンガリーではない」と指摘。「ウクライナはEUの支持を頼りにできる」と続けた。

ロシア大統領府は、プーチン氏とオルバン氏の会談は少なくとも2-3時間続くとの見通しを示した。

原題:Orban Meets Putin as EU Leaders Accuse Him of Damaging Bloc (1)(抜粋)