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ハコスカGT-Rレーシング【4】黒沢元治選手のマシンに搭載されていたS20型ユニットを受け継いだハコスカ
渡辺茂さんのGT-Rレーシングはレース参戦後もモディファイが続けられ、デモランでは劣化部品の交換のみで息を吹き返す。
ボンネットの下にはS20型エンジンが鎮座し、ワークス仕様の痕跡が随所に残されている。
松田次生選手によるドライブでは、軽量化やパーツの詳細が明かされる。
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【3】から続く
【1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-Rレーシング Vol.4】
2019年の「サウンド・オブ・エンジン」でデモランを行った故・渡辺茂さんのGT-Rレーシング。
かつてのレース参戦を終えた後も、渡辺さん本人の手によってモディファイが続けられていたという。
それを証明するかのように、デモランにあたっては、各部の調整と劣化した部品の交換のみで、息を吹き返したそうだ。
このGT-Rレーシングの最大の魅力は、ボンネットの下に鎮座するS20型エンジン。渡辺さんによると、日産ワークス活動の最後のシーズンに黒沢元治選手のマシンに搭載されていたモノだそうだ。ただし、調整が難しいルーカス機械式インジェクションは取り外され、キャブレターのウエーバー45DCOE9に交換されているが、ドライサンプ用オイルパンやキャッチタンク、機械式タコメーターユニットなど、随所にワークス仕様の痕跡が残されている。実際にエンジンをバラして確認したわけではないが、ワークスエンジンならば専用の軽量鍛造ピストン、チタンコンロッドなど、マニアがうらやむ珠玉のパーツが数多く組み込まれていることになる。
「サウンド・オブ・エンジン」でこのマシンをドライブしたGTドライバーの松田次生選手は、ご存じのとおりKPGC10オーナーでもある。
主要諸元 SPECIFICATIONS
1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-Rレーシング
■️ボディ:レース用ボディ、ワークスオーバーフェンダー、アクリルウインドー(フロントはガラス)、レーシングジャケット、FRP製ボンネット/ドア/トランク、ワークスフロントスポイラー、初期型リアウイング、オールペイント&軽量化(GT-Rサービスワタナベ)
■️直列6気筒DOHC S20型(1989cc:ボアφ82mm×ストローク62.8mm)、最終仕様ワークスエンジンSPEC、2本リング鍛造ピストン、チタンコンロッド、特注クランク、燃焼室排気側ペントルーフ、作用角、リフト量変更、ドライサンプ用オイルキャッチタンク、ルーカスインジェクション用機械式タコメーターユニット、各部軽量化
■️吸排気系:ウエーバー45DCOE9、ピロボールリンケージ、ワークス(モナカ)エキゾースト、デュアルサイドマフラー
■️点火系:ワークスディストリビューター、レース仕様プラグホール&プラグキャップ+セスナ用プラグコード、MSD製STREET FIRE(CDI)■️冷却系:レース用3層ラジエーター、オプションオイルクーラー
■駆動系:クラッチ、ワークスオプションタイプ2、F仕様ミッション、アルフィンカバー付きR192デフLSD️■燃料系:レース用安全燃料タンク(100リットル)&コレクタータンク、2機掛け燃料ポンプ、フィルター、エア抜き用ブリーザー
■サスペンション:レース用ストラット、スタビライザー(F:φ21mm、R:φ12.7mm)■️ブレーキ:(F)MK63 4ポットキャリパー+φ280mmローター (R)アルフィンドラム
■タイヤ:DUNLOPスリック(F)220/575-15 (R)340/575-15
■️ホイール:レース用ゴッディ15インチホイール(マグネシウム)(F)15×9.5J -25 (R)15×11.5J -44
■️インテリア: レース仕様ダッシュボード、10000rpmタコメーター、KS製サブメーター(水温、電流)、YAMAMOTO KEIKI製作所製油圧計、ナルディ製ステアリング、ダッツンコンペシート(運転席)、カート用シート(助手席)、4点式ハーネス、チタン製3点式ロールバー、レース用ステアリングギアボックス(15.2:1)
初出:ノスタルジックヒーロー vol.197 2020年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)