子が大学を卒業したら別れよう…将来的な離婚を検討中、覚悟すべき「法的なデメリット」【弁護士の助言】

AI要約

節目のタイミングで離婚を考える際、相手の同意が必要であることや離婚原因が法的に必要であることを説明。

法律上の離婚原因として不貞、悪意の遺棄、生死不明など5種類を挙げ、離婚を考える際の参考に。

離婚後の経済的な面を考慮し、給付金や実家からの援助、ひとり親への希望があるかを検討。

子が大学を卒業したら別れよう…将来的な離婚を検討中、覚悟すべき「法的なデメリット」【弁護士の助言】

「子どもが成人したら離婚したい」「子どもが大学を卒業したら離婚しよう」など、節目のタイミングで離婚しようと考えている人は少なくありません。そういった時期に離婚して本当に後悔しないのか、法的な側面をふまえて検討してみましょう。本記事では、Authense法律事務所で女性向け法律相談を担う弁護士白谷英恵氏が、将来的な離婚の準備について解説します。

「子どもが大学を卒業したら離婚しよう」と考えたとしても、離婚は自分一人の希望だけでは実現できません。離婚は基本的に、夫婦の合意がないと成立しないからです。

相手が離婚に合意しない場合には「離婚訴訟」をしなければなりません。訴訟をしても必ず離婚できるとは限らず「法律上の離婚原因」が必要です。これから離婚しようと考えているものの、まだ配偶者とまったく離婚の話をしていないのであれば、相手に離婚に同意してもらうこと自体が大きなハードルとなる可能性があります。

法律上認められる「離婚原因」

夫が離婚に合意しない場合でも、法律上の離婚原因があれば離婚訴訟によって離婚を認めてもらえます。法律上の離婚原因は、以下の5種類です。

1.不貞(不倫、浮気)

配偶者が不倫している場合

2.悪意の遺棄

配偶者が家出して戻ってこず、生活費の送金もない場合など

3.3年以上の生死不明

配偶者が3年以上生死不明の状態

4.回復困難な精神病

配偶者が重度の統合失調症や躁うつ病などにかかっており、これまで献身的に看護をしてきて、離婚後も配偶者が生活に困らない算段ができている場合

5.そのほか婚姻を継続し難い重大な事由

DVやモラハラを受けている場合や、長期間の別居が続いて夫婦関係が実質的に破綻している場合など

上記に当てはまるなら、離婚を考えたほうがいいケースもあります。

離婚するかどうか迷っているなら、離婚後の生活がどうなるかを考えておくべきです。つまり、経済的に一人で生活していけるのかという問題です。離婚後の生活にあてられるお金には、以下のようなものが考えられます。

・離婚時の給付

・自分で稼いだお金

・実家からの援助

子どもが未成年であれば行政からひとり親への援助がありますが、大学を卒業している場合にはそういったものはほとんど期待できません。

次で詳しくみていきましょう。