学生時代は「最も社会で生きていけないタイプの人間」だった…!RIZAPグループ瀬戸健社長が赤字経営からchocoZAPで「まさかの大復活」したワケ

AI要約

 chocoZAPの急成長を支える戦略について、瀬戸健代表取締役社長のインタビューから明らかになったポイントを紹介します。

 急拡大に成功する理由として、コスト削減と効率化を図る取り組みやテストを重ねたマーケティング戦略が挙げられます。

 瀬戸社長は自らも参加者の一人としてアイデアを出し、数字で判断する姿勢を貫いており、お客様が最終的な意思決定者であることを強調しています。

学生時代は「最も社会で生きていけないタイプの人間」だった…!RIZAPグループ瀬戸健社長が赤字経営からchocoZAPで「まさかの大復活」したワケ

 chocoZAPの快進撃が止まらない。2022年7月のサービス開始からわずか1年11ヵ月で店舗数を1500店まで拡大し、5月には全国47都道府県進出を達成。さらにフィットネスジムの国内会員数ナンバー1となる120万人を突破(5月15日時点)した。

 カラオケ、セルフエステ、洗濯機・乾燥機に、MRI・CT検査に至るまで全サービス追加料金なしを謳い、従来のジムの常識を覆す新サービスを発表し続けている。型破りのアイデアはどこから生まれたのだろうか? 

 RIZAPグループの瀬戸健代表取締役社長に話を聞いた。

 ――とはいえ新規拡大のスピードが尋常ではありません。追加料金ナシとなると、経営的に大丈夫なのかという不安の声もありますが……。

 「もちろん、何もかもハイスペックで最先端なものを取り揃えるというのは、この価格では難しい。でも、上級者以外にはそこまでハイスペックなものは求められていないんですよね。本当にお客さんが求めている部分は削れないですが、それ以外でバランスを取るようにしています。

 コストでいうと、一気に店舗拡大することで、必要な資材の値段はぐんと下がるんですよ。仕入れにあたっては社員を100人ぐらい連れて中国に連れて行くんですが、初めから1500店舗ベースで考えているので、仕入価格をものすごく下げられる。導入する店舗数が多いので、利益の絶対額は確保できています。新サービスのカラオケはおかげさまで大好評ですが、3ヵ月で20店舗から300店舗まで増やす予定です。

 ちなみに資材も一つ一つこちらで決めています。いまの会議はほぼ、壁の防音をどうするかとか、マイクはどれが良さそうかなとか、毎日そういうのばっかりです(笑)」

 ――それを推し進めていく実行力がすごいですね。数千人規模の大企業でありながらこんなにスピード感を持てるのはなぜでしょうか? 

 「実は、社員には『次は何店舗を作る』とか『こういう新サービスを入れる』という、全体像の話はあんまり言わないようにしているんですよ。身構えちゃうようになるので。だから報道を見て、今どれくらいの出店スピードなのかを知る社員も多いと思います(笑)。

 とはいえ、ゴールも期限も示さないというのは一番良くない。僕は指示するときに『急いで』『なる早で』という単語は使いません。例えば、いきなり『3ヵ月後に300店舗出す』と言ったりすると、もう自然とみんな急がなくちゃいけない。こうしてさりげなくスピードアップをはかっています(笑)」

 ――社長の「鶴の一声」で決まることが多いのでしょうか? 

 「いえ、うちはとにかくテストあるのみ。ここは外注じゃなく完全に内製化しています。例えば、チョコザップを始める前は、半年ほどRIZAPの名前を消した状態で、名前や値段、サービスの内容を変えてテストしていました。場所もオフィス街や住宅街に出したり、階数を変えたり。店舗の場所によって混雑する時間帯も違うので、そういうのもデータを取っています。

 広告もチラシは500パターン以上、ホームページは200種類、バナーは4000種以上でテストしています。その中で入会率が高いものだと、3~4倍はゆうに違う。

 こういった勝ち抜き戦を繰り返すことで、常にドリームチームで試合しているようなものなんです。

 僕も『こういうのはどう? 』と、アイデアを出しますけど、あくまで一例。参加者の一人なんです。その結果が悪いのに『これで進めよう』ということはまずないです。数字で判断しています。ある意味、意思決定者はお客様なんですね」