厚切りポテチ「ギザギザ」、商品名とパッケージを変えたら売上15%アップ 消費者が求めていた「兄弟感」

AI要約

カルビーは、厚切りタイプの「ポテトチップス ギザギザ」と薄切りタイプの「シンポテト」をリニューアルし、ポテトチップスブランドを強化して売り上げ向上を図っている。

リニューアル前の「ギザギザ」はパッケージがポテトチップスとの違いがわかりにくいという課題があり、パッケージや商品名を変更することで売り上げがアップした。

今後は、「シンポテト」もパッケージや商品名を変更し、「ポテトチップス 超薄切り」として展開する予定で、ポテトチップスブランドを強化していく方針だ。

厚切りポテチ「ギザギザ」、商品名とパッケージを変えたら売上15%アップ 消費者が求めていた「兄弟感」

 カルビーは今年4月、厚切りタイプの「ポテトチップス ギザギザ」(以下、ギザギザ)をリニューアルした。中身は大きく変更せず、商品名やパッケージを定番商品であるポテトチップスに近づけたところ、発売から2カ月で売り上げは計画比115%を記録。好調な滑り出しを見せた。

 同社マーケティング本部の木本知甫氏によると、リニューアル前のギザギザにはある課題があったという。「ギザギザは2017年にパッケージを一新し、青色と白色のストライプのデザインを採用しました」。その結果、消費者が商品を見た際、「ポテトチップスだ」と認識しづらくなってしまったのだという。

 ポテトチップスといえば、オレンジ色のパッケージの印象が強い。そこで、ギザギザのパッケージもオレンジ色を基調としたデザインに変更。また。名称を商品特徴が分かりやすい「ポテトチップス ザ厚切り」に変えポテトチップスとの“兄弟感”を強調したところ、売り上げがアップしたというのだ。

 そこで同社は、厚切りに続き薄切りタイプのポテトチップスに着目。2020年に発売した「シンポテト」をリブランディングすることにした。

 シンポテトは、ポテトチップス市場に「薄さ」に特化したポテトチップスが少ないことから誕生した。一口サイズで薄いからこそ味わえる軽い食感は、「飽きずに食べ続けられる」「一度で食べ切っても、胃がもたれにくい」など、主に女性から人気を獲得した。

 その一方で、「『シン』の意味が分からない」「パッケージだけでは味や特徴が想像できない」といった不満の声が寄せられていた。「こうした理由から購入率は低かったのですが、中身に関してはピザポテトと同じくらい評価が高かったのです」(木本氏)。ギザギザ同様に、ポテトチップスに寄せてパッケージや商品名をリブランディングすることで、売り上げ向上を狙う。

 7月から発売する新しいパッケージは、ポテトチップスらしい色使いやロゴを採用。薄切りであるという商品特徴を分かりやすく伝えるため、「軽~い食感!」という文言を入れた。また、商品名は「シンポテト」から「ポテトチップス 超薄切り」へと変更した。

 リブランディングした2商品は、今後ポテトチップスのサブブランドとして展開していく。木本氏によると、通常タイプと厚切りタイプのメインターゲットが30~40代の女性であるのに対し、薄切りタイプは20~30代の女性を設定している。女性からの人気が高い薄切りタイプを通じて、ブランドエントリーの間口を広げる狙いだ。

 カルビーは全社的に、ブランドの整理を進めている。「ブランドが多すぎるせいで選べない」といった状態から脱するためだという。通常タイプに加え、厚切り、薄切りという異なる3つの食感をそろえたポテトチップスは、さらなる売り上げ拡大を図れるか。