“5秒イベント”の参加費が3万円でも即完売 強気のJR東日本 納得の鉄道ファン
JR東日本が高額な参加費を設定した蒸気機関車「D51」の撮影会を開催し、予想以上の需要に驚きを隠せない様子が伺える。
コロナ禍での鉄道収入の減少を受けて、鉄道ファン向けの特別イベントを企画し収益アップを目指すJR東日本の姿勢が明らかになっている。
コアな鉄道ファンをターゲットにした独自のイベントであることから、高額な参加費設定にもかかわらず大きな満足度を持って参加している様子が伺える。
JR東日本が強気の価格設定で鉄道ファン向けのイベントを相次いで開催しています。
「デゴイチ」の愛称で親しまれる蒸気機関車「D51」。先週、JR東日本の車両工場で撮影会が開かれました。この撮影会の特徴は参加料金です。
鉄道ファン 60代
「ネットで見て『3万円か、でもいっちゃえ』って感じで申し込みました」
3万円と高額な理由は「吹き込み作業」という検査の時にしか行われない特別な様子の撮影が組み込まれているからです。
どこまで需要があるかは見込めませんでしたが、20人限定で販売したところ、あっという間に完売しました。これには企画したJR東日本もニンマリです。
JR東日本大宮総合車両センター 山口諄さん
「率直な感想は、こんなに早く売れるとは思っていなかったので、すごくうれしいです」
こうしたイベントの背景には、コロナ禍を経て本業の鉄道収入が落ち込んでいるという事情があります。
そこで、これまで見過ごされてきた検査の様子などを「特別なイベント」に仕立てることで鉄道ファンの新たな需要を掘り起こし、収益アップにつなげようという狙いです。
ちなみに、この日のメインイベント「吹き込み作業」はわずか5秒ほどで終わるため、3万円がかかっているだけあって、つい力が入ります。そしていよいよ、その時が来ました。
SLの轟音(ごうおん)とは対照的に、撮影を終えて静まり返る鉄道ファン。ですが…皆さん大満足だったようです。
鉄道ファン 20代
「太陽の向きとか、場所の位置とかもちゃんと配慮してくれたので、満足いく写真は撮れた」
「(Q.3万円の値段は納得?)営業列車で走っている時とは違う仕様にわざわざしていただいた価格設定かなと思ったので、納得できる値段設定です」
鉄道ファン 70代
「総合的に見れば、興味のない人にとっては高いと思うでしょうけど。我々オタクだったら、そんなに高いとは思わない。普段は絶対見られない所だし、参加しないと体験できないイベントですから」
この車両工場では29日、試運転するSLの運転室に乗ることができるイベントも予定していて、参加費用は1人13万円。しかし、こちらもすでに完売していて、コアな鉄道ファンを対象にした強気の価格のイベントが今後の新たな鉱脈となるかもしれません。
(「グッド!モーニング」2024年6月28日放送分より)