改札でQR・クレカ…関西鉄道キャッシュレス加速、京阪は29年度までに磁気切符廃止へ

AI要約

関西の鉄道各社がキャッシュレス対応を強化し、外国人を含めた乗客の利便性向上と業務負担軽減を図っている。

QRコードやクレジットカードを改札機に対応させる取り組みが広がり、磁気式切符を廃止する動きも見られる。

タッチ決済の導入やQRコードの活用を通じて、訪日客の増加に備える関西の鉄道各社の動向が注目されている。

 関西の鉄道各社がキャッシュレス対応に力を入れている。改札機をQRコードやクレジットカードに対応させることで、外国人を含めた乗客の利便性向上を図りつつ、駅での業務の負担を軽減させる狙いがある。鉄道会社の中には、将来的に磁気式の切符を廃止する方針を打ち出すところも出てきている。

 阪急電鉄、阪神電気鉄道、京阪電気鉄道、大阪メトロは今月17日、スマートフォンに表示したQRコードを改札機にかざすことで乗車できるサービスを始めた。

 当面は、一定区間が乗り放題になる企画乗車券が対象になる。専用サイトでチケットを購入すると、駅で現金を使うことなく乗車できる。このほか、近畿日本鉄道や南海電気鉄道は、すでに改札機をQRコードに対応させている。

 改札機を巡っては、磁気式の切符を挿入した際に詰まることがあり、駅員にとって負担になっていた。磁気式の切符がQRコードに切り替わっていけば、メンテナンスにかかる労力を削減できる。

 QRコードに対応した仕組み作りを進める「スルッとKANSAI協議会」の担当者は、「乗客が思い立ったらすぐにスマホで購入でき、利便性が高まる」と強調する。

 関西の大手私鉄では、ほかにもキャッシュレス対応の動きが広がる。近鉄と阪急、阪神は、今年中に改札にクレジットカードをかざすだけで通過できるタッチ決済を導入する。

 タッチ決済は海外ですでに普及しており、クレジットカードがそのまま自動改札で使える。切符や交通系ICカードを入手する必要がなく、窓口や券売機の混雑解消にもつながる。2025年大阪・関西万博を見据え、訪日客の増加に伴って導入が広がる。

 こうした中、京阪は29年度までに、磁気式の切符を廃止する方針を打ち出した。QRコードの活用で、作業の効率化を進め、職員の負担軽減につなげる狙いがあるとみられる。

 鉄道では交通系ICカードの利用が浸透したことで、現金で切符を購入する人はすでに少数派となっている。今後、キャッシュレス乗車の手段が広がることで、ほかの事業者にも磁気式の切符を廃止する動きが広がりそうだ。