豆子郎「素人が作った」和菓子、おごらないよう戒めの意味も…女性への気遣いで人気商品

AI要約

1948年に「田原外郎本舗」として創業し、外郎を参考に新しい菓子作りに挑戦した。

「素人」と「豆」の意味を組み合わせて「豆子郎」と名付けられ、人気商品になった。

拍子木状に切り分けられることで女性でも食べやすく、社名に採用。創業当初の苦労と謙虚さが込められている。

 1948年に「田原外郎本舗」として創業。旧南満州鉄道の技術者だった創業者が、故郷の山口の名産品・外郎(ういろう)を参考に、新しい菓子作りに挑んだ。ワラビ粉、砂糖、小豆を使い、軟らかいが独特の歯触りがある生地に、豆を混ぜて蒸し上げた和菓子を完成させた。菓子屋ではない者が作ったという「素人」の意味と、「豆」の文字を組み合わせて「豆子郎」と名付けた。

 女性が口を大きく開けずに食べられるように、糸で細長い拍子木状に切り分けて提供する気遣いもあり、人気商品になった。73年には社名に採用。創業当初の苦労とひたむきな姿勢を語り継ぎ、奢(おご)らないようにとの戒めの意味も込められているという。