「W7系」「E7系」そっくり車両の違い見つけて…北陸新幹線トリビア

AI要約

北陸新幹線に延伸したW7系とE7系の車両には細かい違いがある。

編成番号や車両番号、車内放送のチャイムなどで区別が可能。

JR西とJR東から得た情報を参考に、乗車時に見分け方を楽しむことができる。

 3月16日に金沢―敦賀間が延伸した北陸新幹線。車両や設備に織り込まれた、一目では気づきにくい情報を紹介する。

 白色をベースに青、銅色を配した北陸新幹線の車両。2015年の長野―金沢間延伸に合わせて開発された「W7系」「E7系」だ。「W」は「WEST」(西)、「E」は「EAST」(東)の略で、W7系はJR西日本、E7系はJR東日本が所有している。

 北陸新幹線での最高速度260キロで、豪雪地帯を通ることから、先頭に雪を押しのける装置が備わる。デザインは、高級スポーツカー「フェラーリ」を手がけたこともある工業デザイナー・奥山清行氏が担った。

 全国の鉄道愛好家らでつくる「鉄道友の会」は15年、1年間で最も優れた車両に贈る「ブルーリボン賞」にW7系とE7系を選んだ。山岳区間の勾配や降雪といった厳しい条件でも安全性や信頼性を確保していることや、「和」を象徴するデザインが盛り込まれたことなどを評価した。

 W7系とE7系は、見た目はまったく同じように見え、車内設備も大差なく、どちらに乗っても変わらないように感じる。本当なのか?

 JR西、東に取材すると、実は少し違いがあるようだ。

 先頭車両の窓に目を凝らすと、アルファベット1文字と数字が記されている。「編成番号」だ。連結する12両を一つの塊(編成)と捉え、他の編成と識別するためにつけられている。

 「W1」「W5」などWがあればW7系、「F2」「F6」などFがあればE7系だ。Wは「WEST」を意味しないものの、JR西は「Wが他の路線に使われていないので採用した」。Fについては「未使用のアルファベットを用いた」(JR東)としている。

 車体側面にも見分けられるものがあった。

 おおむねドア近くにある「車両番号」だ。1両ずつ番号が異なり、アルファベット1文字と4桁以上の数字が並ぶ。「W725 123」「E725 123」などで、こちらは「WEST」と「EAST」の頭文字のため、1文字目を見ればW7系かE7系かがわかる。

 運転中に流れる車内放送を注意深く聞けば、チャイムも異なることがわかるはずだ。W7系では、昨年亡くなった歌手の谷村新司さんが作詞、作曲をした「北陸ロマン」、E7系は「TR12」というメロディーだという。

 JR西の担当者は話す。「乗車の際に興味があれば足元の車両番号に目を凝らし、チャイムに耳をそばだててほしい」(高山智仁)