お米を運んで東北から北関東をぐるり1周! トラックドライバーの仕事に2日間密着した!!

AI要約

宮城県のトラックドライバーがお米を運ぶ日常を紹介。

運行の詳細や取り組む姿勢、労働環境の改善について。

トラックドライバーの仕事の魅力と将来性について考える。

お米を運んで東北から北関東をぐるり1周! トラックドライバーの仕事に2日間密着した!!

 好きなことを仕事にして稼ぐ。これは多くの人にとって人生の重要な選択だ。乗り物が好きでハンドルで稼ぐ。国内の流通を支えるトラックドライバー達がいるからこそ、日常の生活を過ごせているのだ。今回紹介するのは日本人にとってもっとも身近な食材である、お米を運ぶトラッカー。プロドライバーの仕事ぶりを紹介しよう。

 今回の主人公は、宮城県の北西部・大﨑市に拠点を構える「陸東運輸」の17スーパーグレートを駆るナオキさん。運転手歴20年超の同社でも中堅選手といえる存在だ。

 社歴の長い陸東運輸は、昔々はいわゆるデコトラ仕様に飾ったトラックでデコトラマニアも唸る名車揃いだった。しかし現在は、派手な飾りは控えつつも、屈強なつくりボディに自社工場製のサイドバンパーやリヤバンパーを装備した、時代に則したスタイリッシュな車両へと変貌を遂げている。東北名産である米という穀物を全国各地へと運ぶのが同社の主な業務である。

 同行取材した際の運行は、2日間に渡って宮城~山形~茨城~宮城の東北から北関東をぐるりと一筆書きの航海。同社がメインで扱う積荷の行き荷はお米。帰り荷は豆などの穀物や飼料、肥料など。ある程度の鮮度は求められるものの、鮮魚や青果などの生鮮品の急ぎの荷物ではないので、原則としては「全ベタ(一般道のみの走行)」が基本だという。

 全ベタと聞くとヘビーな印象を受けるが、陸東運輸ではトラック協会が設定した規定に則り、430=ヨンサンマル(4時間走ったら30分以上の休憩)、9時間走ったらその日の運行は睡眠を含めた大休憩というルールを徹底している。安全やドライバーの健康を考慮した労務管理を厳守する。

 航海初日は、朝早くに宮城県大﨑市の会社に出勤。事務所に同社のドライバーが集まり点呼。血圧とアルコ―ルチェック。運行前点検を行い、いざ出発。最初の目的地は山形県寒河江市へ。同地にあるせんべいメーカーへ米菓用白米を納品。続いて同県高畠町の米穀専門商社にて米を1時間弱で積み込み完了。一路茨城県潮来市を目指して国道4号線を南下。

 途中16時頃、福島県大玉村にあるナオキさんお気に入りのラーメン店にて遅めのランチ。19時半頃には茨城県の「道の駅ひたちおおた黄門の郷」で会社規定の30分休憩をとり、22時前には同県潮来市にある翌朝の荷降ろし倉庫に到着し、トラックキャビンの寝台で眠りについた。

 2日目は7時半ごろに始動。潮来市の米卸売会社で納品。9時半ごろに荷降ろし完了し、帰り荷の積み込み先がある同県東海村を目指す車内で朝食を取る。11時半頃到着した東海村での帰り荷は茨城県産の大豆。納品先での荷降ろしをスピーディに行えるようパレットを敷いて積み上げた。

 北上を続け、16時前に同県日立市のラーメン店で遅めの昼食。さらに国道6号線に乗って北上を続け、19時過ぎに休憩を取った。20時半ごろ福島県相馬市を通過し、翌朝の荷降ろしに備え、ナオキさんは社へと帰還した。

 今回の運行に見られるように、多くの運送会社では法令を遵守し、ドライバーに過度な負担が強いられないよう配慮されている。トラックのキャビン内で休憩や睡眠を取る運行内容であっても、同社のようにトラック用エアコン室外機を装備してあれば心強い。待ち時間や休憩時間はアイドリングストップしても快適に過ごせるエコ仕様を採用するなど、労働環境は改善されている。パレットでの積み込みであれば、体力に自信のない人でも可能な職業だ。

 好きな乗り物に乗って収入を得る、そんな稼業に身を置いてみるのはいかがだろう。