国産牛より高い?タコが高騰中“庶民の味”に異変

AI要約

鮮度の高い国産タコの値上がりにより、たこ焼き業界がピンチに陥っている。

タコの仕入れ価格が急上昇し、外国産タコとの価格差が縮まりつつある。

タコの主要な仕入れ先であるモーリタニアの漁獲量減少により、日本は国産タコへのシフトを図っている。

国産牛より高い?タコが高騰中“庶民の味”に異変

こちらはアツアツのタコ焼きに唐揚げ。

いま庶民の味、タコが高値の花となりそうなんです。

カリっ、とろ~り食感に、ぷりぷりの歯ごたえ。

「安くてうまい」が代名詞のたこ焼きが、ピンチです。

たこ焼き たい焼き こんこん 寺口雪乃 店主

「短いスパンで(仕入れ値が)100円、200円と上がった。仕入れが上がったからって(タコを)小さくできない」

店主が嘆くのは、たこ焼きの命、タコの値上がりです。

たこ焼き たい焼き こんこん 寺口雪乃 店主

「たこ焼きはおまけで買ってもらうものだと思って、負担がかからないようにしてるので、(販売価格は)上げられない」

タコが高くなったのは、スーパーも同様です。

アキダイ 秋葉弘道 社長

「だいぶ高い。実は最近さらに値段が上がった。ロケット的なバーンという値上がり方をしたイメージ」

街の人

「たこ焼き大好きで家で焼きたいがなかなかできない。さらに(タコの)値段が上がってしまって、誕生日にしか出せないなっていう感覚」

スーパー「アキダイ」の売り場に並んだ海外産「真ダコ」は100グラム・399円。

一方、こちらの国産牛は、100グラム・328円でタコは国産牛よりも、70円割高に。

100グラム100円前後と、現在の4分の1ほどで買えた時代は遠く、タコは今や、「高級食材」だといいます。

なぜ、タコはこんなにも値上がりしているのでしょうか?

その謎は「アキダイ」から1万キロ以上離れたアフリカ大陸の西側に位置するモーリタニアにありました。

つぎつぎ茹で上がる、ぷりっぷりのタコは…

冷凍され、モーリタニアから3カ月かけて船で運ばれてきたものです。

茨城・神栖(かみす)の水産加工会社。

1日に5トン以上のタコを扱っていますが…今年、大きな変化が。

津久勝・津久浦 裕之 社長

「去年が約3000トンに対して、今年(去年 同時期)は約1000トンと3分の1」

入荷量が激減して、価格が急上昇。

実はこの高値、モーリタニア産のタコをめぐる競争に日本が負けたのが原因だといいます。

津久勝・津久浦 裕之 社長

「急激な円安によって、現地で相当 為替のハンデがあり、漁自体はそこそこの量はあるが、買い負けして、たくさんヨーロッパ勢が買い占めている。アフリカのタコが減った分は、国産に切り替える方向で仕事を進めて行こうと」

家庭でも注目なのは、外国産より高級とされていた国内産。

その価格の差が縮まってきているからです。

茨城・鹿嶋にあるスーパーではタコのから揚げや…

タコのうま味が染み込んだタコ飯などのお惣菜が人気。地元の「鹿島たこ」をふんだんに使っています。

コミュニティーストア ミズノ・水野 明善 社長

「鹿島たこは身が締まって味に深み、甘みがある。外国産より美味しいと確信している」