【厚生年金】月額30万円以上を受け取る「高額受給者」の割合は?老後、年金だけで生活できる世帯は半数以下
老後の年金受給額を把握する重要性や厚生年金の平均受給額について解説。
厚生年金で月額30万円以上を受給する人の割合が約0.08%であることを示す。
年金受給額の決定要因や保険料の納付期間についても触れる。
筆者は職業柄、友人や親族と会うと簡単なお金の相談を受けることがあります。その中でよくあがるテーマが「年金」。老後生活を支える年金収入への関心度が高い人が多いようですね。
しかし、実際にどれくらいもらえるのかまで把握できている人はそう多くありません。
貯蓄や年金に依存する生活は様々な要因に左右されるため老後の資金がどれくらい受け取れるのかは必ず確認しておいた方がいいでしょう。
本記事では、厚生年金を月額30万円以上も受け取っている「高額受給者」がどれくらいいるのかを探っていきます。
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最初に、「国民年金・厚生年金」の平均受給額が月額いくらかを確認していきます。
厚生労働省が公表している最新資料「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末現在の「国民年金・厚生年金」の平均受給額は以下のとおりとなりました。
●国民年金
・男女全体:月額5万6316円
・男性:月額5万8798円
・女性:月額5万4426円
●【厚生年金】
・男女全体:月額14万3973円
・男性:月額16万3875円
・女性:月額10万4878円
※上記、厚生年金の月額には国民年金も含む
老後の年金受給額は、国民年金が月額5万6316円、厚生年金は月額14万3973円となりました。
平均は上記のとおりですが、実際には個人差があり、中には平均受給額の2倍以上を受給する人も。
では、月額30万円以上を受給できる人はどれくらいいるのでしょうか。次章で確認していきます。
厚生年金「月額30万円以上」の高額受給者の割合を確認していきましょう。
●年金受給額ごとの受給権者数
・1万円未満:6万1358人
・1万円以上~2万円未満:1万5728人
・2万円以上~3万円未満:5万4921人
・3万円以上~4万円未満:9万5172人
・4万円以上~5万円未満:10万2402人
・5万円以上~6万円未満:15万2773人
・6万円以上~7万円未満:41万1749人
・7万円以上~8万円未満:68万7473人
・8万円以上~9万円未満:92万8511人
・9万円以上~10万円未満:112万3972人
・10万円以上~11万円未満:112万7493人
・11万円以上~12万円未満:103万4254人
・12万円以上~13万円未満:94万5662人
・13万円以上~14万円未満:92万5503人
・14万円以上~15万円未満:95万3156人
・15万円以上~16万円未満:99万4044人
・16万円以上~17万円未満:104万730人
・17万円以上~18万円未満:105万8410人
・18万円以上~19万円未満:101万554人
・19万円以上~20万円未満:90万9998人
・20万円以上~21万円未満:75万9086人
・21万円以上~22万円未満:56万9206人
・22万円以上~23万円未満:38万3582人
・23万円以上~24万円未満:25万3529人
・24万円以上~25万円未満:16万6281人
・25万円以上~26万円未満:10万2291人
・26万円以上~27万円未満:5万9766人
・27万円以上~28万円未満:3万3463人
・28万円以上~29万円未満:1万5793人
・29万円以上~30万円未満:7351人
・30万円以上~:1万2490人
厚生年金を「月額30万円以上」受給している人は1万2490人。厚生年金の受給権者数は1599万6701人ですので、高額受給者の割合は全体の約0.08%となります。
厚生年金の年金額は、年金加入期間と給与・賞与などの報酬に応じて決定する保険料の納付期間により決定します。年金加入期間が長いほど、年収が高いほど、老後に受給する年金額が高くなるのですが、保険料額には上限があることもおさえておきましょう。