生きてたよ… 絶滅危惧の「ロータリーエンジン」パトカー発見! 注目度バツグンだけどパトカーとしては致命的!?

AI要約

新潟県警察の視閲式が2024年6月8日に開催され、マツダRX-7パトカーの姿が注目された。

FD3Sセブンはロータリーエンジン搭載のスポーツカーで、全長4.28m、全幅1.76m、全高1.23mのワイド&ローなデザインを持つ。

RX-7の運用上の問題点として、乗降性やトランクの狭さが挙げられ、実際には主にイベントで使われている。

生きてたよ… 絶滅危惧の「ロータリーエンジン」パトカー発見! 注目度バツグンだけどパトカーとしては致命的!?

 新潟県警察の視閲式が2024年6月8日(土)に新潟市の県庁構内において開催されました。式典には警察官約250人、車両20台強、ヘリコプター2機などが参加していましたが、その中に全国的に希少となったマツダ「RX-7」パトカーの姿を見ることができました。

 いわゆる「FD3Sセブン」と呼ばれるRX-7のパトカーが採用されたのは1997年のこと。高速道路などで交通取締に用いる「交通取締用四輪車(高速II型)」として国費調達(警察庁が一括購入し、必要な都道府県に割り振る導入方法)された同車は、その数わずか7台しかなかったものの、ロータリーエンジン搭載の2ドアクーペ、いわゆる「ピュアスポーツカー」であったことから、運用が始まるとたちまち注目を集めました。

 全長4.28m、全幅1.76m、全高1.23mというボディサイズは、高速走行時の安定性を追求したからこその、いわゆる「ワイド&ロー」な車体デザインといえるでしょう。

 駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ)で、エンジンは最高出力265馬力、最大トルク30.0kgmを発揮する「13B-REW」水冷ロータリーターボ(直列2ローター)を搭載しています。

 これにより圧倒的な加速力と高速性能を誇りましたが、パトカーとしての使い勝手は別でした。全高が低いため、ヘルメットをかぶった警察官が乗り降りするにはかなり厳しく、加えてホールド性を高めた形状のシートは、腰回りに様々な装具を付けた状態ではタイトすぎた模様です。

 またRX-7は、一応4名まで乗れるように後部座席も用意されているものの、限りなく“緊急用”に近いものであるため、ここに違反者や被疑者を乗せるのは厳しい状況でした。

 ほかにもトランクルームの狭さもパトカーとしては欠点だったようです。クラウンなどであればプラスチック製のパイロンや旗、発煙筒、三角表示板、消火器など様々な装備を積めますが、RX-7の場合はプラスチック製パイロンすら積載が難しいため、折り畳み式のものをいくつかと、発煙筒、消火器程度で、大きなものは軒並み積めません。

 こういった観点から、第一線で使われることは案外少なく、ほぼイベント用になっているとのこと。案内の警察官いわく走行距離は7万km台とのことでした。

 2024年現在の所属先は県警の交通機動隊です。しかし、前述したように高速道路で使用することを想定した「交通取締用四輪車(高速II型)」として調達、配備されたため、当初は高速道路交通警察隊で運用されており、その名残ともいえるバグガードを今でもボンネット上部に付けています。

 なお、FD3S型のRX-7パトカーは、新潟以外に、宮城、群馬、栃木、埼玉、千葉、京都へ配備されましたが、2024年6月現在、現役なのは新潟県警と埼玉県警の2台だけです。