取材ノート 記者の業務効率化とは

AI要約

かつてはアポなしで取材先を訪問していた記者が、最近は業務効率化のために寄り道を減らすことに悩んでいる。

取材先を訪れることで業界の裏話や重要な情報を得られるが、現代の働き方改革にそぐわないかもしれない。

取材時の寄り道が業務効率化に繋がるのか、記者自身も模索している。

取材ノート 記者の業務効率化とは

 ■「近くに来たので、寄らせていただきました」。かつては何気なく取材先にアポなしで訪問していた。しかし、最近はめっきり回数が減った。世の中で、働き方改革や業務効率化といったキーワードが飛び交っているからだ。

 日ごろ、車で取材先を回っている。取材を終えて、オフィスに戻る際、近くによく知る企業があれば、訪問してしまうこともある。運よく経営者や広報担当者がいれば、少しだけ雑談させてもらう。業界の裏話や他社の動向、プライベートまで幅広いジャンルの話が聞ける。雑談から、地域経済の現状を把握したり、重要な情報をキャッチすることもある。

 ところが、こうした行動は、今の時代にそぐわないかもしれない。多くの企業で人手不足感が強まっており、業務の効率化を進めているからだ。

 もっとも、これは自分にも当てはまる。取材先に直行し、オフィスに直帰すれば、記事を執筆する時間を確保しやすくなる。ただ、なんとなく味気ない。ちょっとした「寄り道」は、削減すべき時間だろうか。記者としての業務効率化とは何か。ハンドルを握りながら、思案する日々だ。

 ■山田悠(やまだ・ゆう)刈谷支局に勤務し、碧海5市と西尾市を担当。取材先がSNS(交流サイト)を活用していれば、フォローするようにしている。若手社員が情報発信を担当する事例が多く、社風などを確認しやすい。