ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」の生産始まる。1号車は米国向けで600ドル(約6.4万円)/月でリース販売【今日は何の日?6月16日】

AI要約

2008年6月16日、ホンダのFCV「FCXクラリティ」の生産が開始された。車両はアメリカと日本でのリース販売が予定され、進化したテクノロジーと洗練されたデザインが注目を集めた。

燃料電池車は水素と酸素を用いて発電し、排出物は水のみなので環境に優しい。ホンダは1990年代からFCEVの開発を進め、FCXクラリティは軽量化、出力向上、航続距離延長などの進化を遂げた。

2008年7月にアメリカで、11月に日本でのリース販売が始まる予定であり、リース料金は日米で大きな差がある。この差は日米の認識の違いに起因している。

ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」の生産始まる。1号車は米国向けで600ドル(約6.4万円)/月でリース販売【今日は何の日?6月16日】

一年365日。毎日が何かの記念日である。本日6月16日は、ホンダのFCV(燃料電池車)「FCXクラリティ」の生産が四輪新機種センター(栃木県)で始まった日だ。ラインオフ1号車は、7月から始まる米国でのリース販売向け、11月からは日本でのリース販売も始まった。

TEXT:竹村「 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:ホンダ、三栄・ホンダFCXクラリティのすべて

2008(平成20)年6月16日、ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」が米国で7月、日本は11月から始まるリース販売のため生産を開始した。先代の「ホンダFCX」を進化させたFCXクラリティは、技術の進化に加え近未来的なスタイリッシュなフォルムで注目された。

燃料電池車FCEVは、車載タンクに高圧で充填した水素と大気中の酸素を反応させて発電する燃料電池(FC:Fuel Cell)の電力をバッテリーに蓄え、モーターで走行する。排出されるのは原理的には水だけなので、究極の環境対応車と呼ばれる。さらに、EVよりも航続距離を長くできるポテンシャルを持つこともFCEVの強みである。

ホンダは、1990年代からFCEVの開発を本格的に始め、1999年には「ホンダFCX」のベースとなる「FCX-V1」と「FCX-V2」を開発し、米国と日本で公道試験を始めた。

そして、2002年にホンダFCXが初めてEPA(米国環境保護庁)とCARB(カリフォルニア州大気資源局)の認定を取得。これにより、米国での販売が認許され、2002年末にFCXはカリフォルニア州のロサンゼルス市庁と日本の内閣府に納車された。

その後、日米ともリース販売先を拡大し、日本では2004年の箱根駅伝や屋久島ゼロエミッションプロジェクトに参画し、米国カリフォルニア州では2005年から個人向けリースの販売も開始した。

FCXを進化させたFCXクラリティは、次世代自動車にふさわしいスマートな流線形のスタイリングに変貌した。

新システムの特徴は、水素や空気を縦に流す小型・高効率“V Flow(バーチカルフロー) FCスタック”で、モーターの最高出力を78kWから100kWに向上させ、パワープラント全体の重量出力密度2倍、容積出力密度2.2倍により、大幅な軽量コンパクト化と高出力化を達成した。さらに当時課題であった低温始動性についても、マイナス30度まで問題なく始動できるようになった。

これらの改良と優れた空力性能によって燃費は20%向上。また、水素タンク(圧力35MPa)は、156.6Lから171Lに増大し、効率向上と相まって航続距離は30%延びた。

このように大きく進化したFCXクラリティは、2008年7月、日本は11月からのリース販売開始に向けて、2008年のこの日ラインオフしたのだ。ちなみに、リース料は、米国は600ドル(約6.4万円)/月、日本は80万円/月と、日米で大きな差があった。

この差は、日本ではFCEVは特別なクルマという認識があるが、米国では例え最先端のFCEVであってもリース料金が一般的なリース料金のレベルを超えると市場で許容されないという、日米の認識の違いに起因している。