素直に謝れない人がわかっていない、すぐに謝罪することのメリット

AI要約

人間関係の調整に悩む多くの人々に塚本亮さんがコミュニケーションの重要性を語る。

相手への期待や見返りを求める心の正体とは、自身の満足感であることを明かす。

他人の反応に左右されず、自分の行動に満足し続ける姿勢の大切さをアナロジーを通じて示唆。

素直に謝れない人がわかっていない、すぐに謝罪することのメリット

会社でもプライベートにおいても、多くの人の悩みの種になっているのは「人間関係」です。周囲の人とのトラブルは、生産性の低下や精神的なストレスを引き起こします。円滑なコミュニケーションを維持するには? 塚本亮さんが語ります。

※本稿は塚本亮著『要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない(PHP研究所)より、一部を抜粋編集したものです。

私たちが、頭を抱え、多くの労力が割かれるのは「人間関係」の調整です。面倒くさいことこのうえないですが、仲間や友人がいなければ仕事もプライベートも充実しないのもまた事実。要領のいい人は、どんな人間関係を心掛けているのでしょうか?

・「見返りを求める心」の正体

私たちは多くの人との関わり合いのなかで仕事や生活をしています。その分、嬉しいこともあれば、悲しくなる出来事も少なくありません。なかには、怒りを感じたり、失望することもあるでしょう。

そうした感情は、たいてい「他人への期待」から生じます。「部下が思い通りに動いてくれない」

「これだけやってあげたのに、報われない」自分が働きかけた相手から、私たちは、しばしば行動に対する見返りを期待してしまいます。その見返りが得られないから、怒りや失望といった感情が生まれるのです。

この見返りの正体とは、あなた自身の「満足感」です。「部下に期待通りに動いてもらうことで、自分の有能感を味わいたい」「『ありがとう』と言ってもらって、自分が役に立っていると思いたかった」つまり、この行為は相手のためだけではないのです。すると、感謝やお返しがない場合、後悔や怒りといったネガティブな感情にとらわれてしまうのです。

なお、「見返りを求めてしまう心」は、人として当然の気持ちです。ただ、この感情が行きすぎると、人間関係を「損か得か」で判断するようになるため、誰かに期待しすぎてしまうのも、考えものでしょう。

・「好きでやっている」くらいが、丁度いい

他人の反応に振り回されずに生きるためには、「自分の行動と、他人がそれをどう受け取るか」を分けて考えることが大切です。

自分が他人に働きかけた行動は、それ自体に価値があり、素晴らしいものです。しかし、その行動が他人にどう影響するかは別の問題なのです。お笑い芸人の明石家さんま氏は、次のように言っています。

「好きだからやってるだけよ、で終わっといたほうがええね。これが報われるんだと思うとよくない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね」

この言葉には、深い真理が込められています。

「好きだからやっているだけ」という姿勢でいると、相手の反応に振り回されるこないからです。

このような考え方は、要領のいい人に多く見られる傾向です。人間関係においては、自分の行動が報われるかどうかを重視していないのです。

彼らは自分の心が向かうまま、自分がいいと思うことを行うので、実にあっさりしています。だからこそ、後から評価や成功がついてくるのでしょう。誰かにやってあげた行為に裏表がなく、自然体だからです。

失望は、望みがあるからこそ生まれます。この事実を客観的に捉えると、軽くネガティブになることはあっても、以前よりも他人に対して穏やかな心持ちになれるのではないでしょうか。