【日本株週間展望】上昇へ、米利下げ期待再燃か-日本のCPIは警戒

AI要約

米国長期金利の上昇が一服しており、日本株は上昇する見通し。ただし、全国消費者物価指数の上振れや日銀の金融政策判断によって株価が抑制される可能性もある。

市場では利下げ期待が再燃しており、米連銀総裁の発言や全国CPIの発表に注目されている。また、主要企業の株主総会が開催され、経営陣の再任や株主提案の結果がコーポレートガバナンス力の判断材料となる。

海外の金融政策の動きや中国のLPR発表も市場に影響を与える可能性がある。前週には小幅な下落が見られたが、今週は株式市場が注目される。

(ブルームバーグ): 6月第3週(17-21日)の日本株は上昇する見通し。利下げ期待の再燃で米国長期金利の上昇が一服しており、リスク資産を見直す買いが優勢となりそうだ。一方、日本で発表される全国消費者物価指数(CPI)が予想から上振れれば、為替相場が円高方向に振れる可能性があり、株価の上値抑制要因として警戒される。

連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金利予測分布図であるドットプロットでは、米国の年内利下げ回数が従来の3回から1回に引き下げられたが、インフレ指標の鈍化を受け市場での利下げ期待はむしろ再燃している。米長期金利が直近で4.4%台から4.2%台に下がる中、17日から18日にかけ複数の米連銀総裁の講演が予定され、利下げタイミングを巡る発言の有無に注目する市場関係者は多い。

国内では21日に5月の全国CPIの発表がある。日銀が金融政策判断のポイントに挙げる賃金と物価の好循環を確認する上で重要な指標だ。4月の生鮮食品を除くコアCPIは、前年比の上昇率が25カ月連続で2%を上回った。市場予想のプラス2.6%を上回った場合、日銀の利上げ観測から為替が円高に振れるリスクがあり、日本株の上値抑制要因として注意が必要だ。

また、18日のトヨタ自動車をはじめ主要企業が株主総会シーズンを迎え、経営陣の再任や投資ファンドなどの株主提案に対する議決権の行使状況は各社のコーポレートガバナンス(企業統治)力を図る判断材料になる。トヨタに関しては、認証不正問題などを受け豊田章男会長の取締役選任議案が株主の支持を得るかどうかが焦点の一つだ。

この他、株式市場に影響を及ぼす可能性がある材料としては海外で20日にイングランド銀行(英中央銀行)の政策金利発表や中国人民銀行がローンプライムレート(LPR)1年物と5年物を発表する。第2週の東証株価指数(TOPIX)は週間で0.3%安と小幅に続落した。

《市場関係者の見方》