PAGの新アジアPEファンド、調達額が目標の半分に届かず-関係者

AI要約

アジア最大のオルタナティブ資産運用会社PAGは、最新のバイアウトファンドの資金調達を目標の半分未満で締め切る方針。投資家の慎重さから資金調達額が伸び悩んでいる。

市場環境の厳しさを考慮し、PAGにとって40億ドルの調達は大きな成功。中国への投資額制限を控えることが影響している。

米年金基金が投資に慎重な中、PAGの新ファンドへの出資の約半分を中東とアジアの投資家が占める。ヨーロッパやアメリカの投資家が減少している。

(ブルームバーグ): アジア最大のオルタナティブ資産運用会社PAGは、今月末に最新のバイアウトファンドの資金調達を40億ドル(約6300億円)で締め切る方針だと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。投資家がアジアに新規資金を投じることに二の足を踏む中、調達額は当初目標の半分未満にとどまった。

2年前の同ファンドの設定時、PAGは約90億ドルの調達を目指していた。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によれば、同社は昨年には、調達見通しを60億ドルと投資家に伝えていた。世界の大型年金基金が全体的に非流動性資産への投資に慎重になっていることが背景にあるという。

高金利と地政学的懸念の中で投資家が新たな資金投入に慎重になっている状況を踏まえれば、PAGにとって現在の市場で40億ドル調達することは決して小さくはない成果だと、関係者は指摘した。

プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資業界全般が新たな資金調達に苦戦する中、PAGは中国への投資額に制限を設けることを控えているため、特に影響を受けている。カーライル・グループやTPGなどライバル企業は、中国経済の減速や政治的緊張の高まりを懸念し、中国に割り当てる資金を減らしている。

PAGの中国への相対的なエクスポージャーが歴史的に大きいことが、一部の米年金基金が二の足を踏む要因となった。関係者の1人によれば、中東とアジアの投資家が新ファンドへの出資の約半分を占め、米年金基金による投資は急減したという。

香港在勤の広報担当者はコメントを控えた。

原題:PAG Raises Just Half of $9 Billion Goal for New Asia PE Fund(抜粋)

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