ロービーム車検で黄ばんだヘッドライトのクルマに「落検」続出の可能性! 地域によっては「あと2年」ハイビームでOKな場所もある

AI要約

車検でのヘッドライト検査における、過渡期のロービーム計測要件の見直しについて。

ヘッドライトレンズの劣化が光量不足や光軸の問題の主な原因であること。

劣化したレンズの対処法や光量不足への対策、地域ごとの過渡期の取り扱いの違いについて。

ロービーム車検で黄ばんだヘッドライトのクルマに「落検」続出の可能性! 地域によっては「あと2年」ハイビームでOKな場所もある

 公道でクルマを走行させるために必要な車検では、当然ながら安全にクルマが走行できるかどうかのチェックを複数の項目に渡って実施している。

 なかでもヘッドライトは、夜間など暗いシチュエーションで走行するときに重要な要素であるため、光量はもちろんのこと、ほかの交通を妨げないように光軸や色などの項目が定められている。

 このとき、ロービームを使用して計測するというルールが平成27年9月1日以降、実施されているのだが(平成10年9月1日以降に製作された車両が対象)、全面施行に向けた過渡期の取り扱いとして、ロービームでの計測が困難な一部の車両に対しては、ハイビームに切り替えての計測でもOKとしてきた。

 この過渡期の扱いが2024年8月1日で見直しとなり、ロービームで基準不適合の車両は、ハイビームでの再検査を実施しないことになったというのである。

 では、ロービーム検査で基準不適合にならないためにどんなことができるのだろうか?

 まず、光量不足や適切な光軸がでない原因は、ヘッドライトレンズの劣化であるケースがほとんど。とくに近年の車両に使用されている樹脂レンズは、経年劣化で曇りや黄ばみ、亀裂などが生じて、本来の明るさや光軸が出にくくなるのである。

 この場合、レンズ表面の劣化であれば、劣化した表面を磨いて削り落として本来の透明度を回復させるという手段が手っ取り早い。最近ではヘッドライトリペアサービスを実施しているカー用品店などもあるので、相談してみるのも手だろう。

 一方、磨いても消えない劣化やレンズの内側の劣化、内部のリフレクターの劣化が原因の場合は、外側を磨いても効果が薄いことが多く、こういった場合は新品や中古の良品のヘッドライトレンズに交換するしかない。

 光量が足りない場合は社外のLEDヘッドライトバルブなどに交換する手段もあるが、レンズやリフレクターの劣化によって光軸が出なかったり、安価な海外製のものだと最初から光軸を調整することができないレベルでズレてしまうものもあるので、相性も重要となる。

 ただ、この過渡期の扱いは地域によって差が生まれており、北海道、東北、北陸信越、中国の運輸局では2024年8月1日からロービーム検査のみに切り替える一方で、関東、中部、近畿、四国、九州、沖縄の陸運局ではさらに過渡期の措置が2年延長となるという。ロービームで基準不適合の場合は、延期措置が採られた地域の陸運支局に足を運ぶという抜け道もあるようだ。

 検査の基準が地域によって違うというのは腑に落ちない部分もあるが、とりあえず2年間はさらに猶予が与えられた地域があるというのは朗報と言えるかもしれない。