ギリシャ、80億ユーロの救済融資を前倒し返済へ-首相

AI要約

ギリシャは債務危機時に受けた救済融資の80億ユーロを前倒し返済する計画で、回復が浮き彫りになる見通し。

返済額はこれまでで最大で、市場に信頼のシグナルを送ることになる。

債務比率は下がり続け、首相は今後も減少が続くとの見通しを示した。

(ブルームバーグ): ギリシャは債務危機時に受けた救済融資の80億ユーロ(約1兆3500億円)相当を前倒し返済する計画で、債務危機からの回復ぶりを浮き彫りにすることになるだろうとミツォタキス首相が述べた。

返済するのは2010年にギリシャが受けた第1次救済融資の3年分支払額。前倒し返済はこれが3回目、額としてはこれまでで最大で、債務危機時代の負の遺産からの脱却を加速させる。

アテネの首相官邸でブルームバーグのインタビューに応じたミツォタキス氏は、「われわれの政権発足以降、多くのことを実際してきた」と述べ、「市場取引に関しては、恐らく予想以上だっただろう」と続けた。

返済の前倒しは、ギリシャ経済の回復について金融市場に信頼のシグナルを送ることになる。今年の経済成長率目標を政府は従来の2.9%から2.5%に引き下げはしたものの、欧州連合(EU)の平均を依然大きく上回る。

ミツォタキス首相は「ギリシャ資産に対して確かな意欲があった。市場はわれわれの長期目標の見通しや、政権が安定していて長期で続くことを信じている様子だ」と語った。

国内総生産(GDP)比で見たギリシャの債務は引き続き欧州で最も高い部類に入るが、2020年の207%から今年は152.7%に低下する見通しだ。

このトレンドは継続するだろうと首相は発言。GDP比だけでなく名目ベースでも純債務は23年に減少したと指摘し、「今年も恐らく再び減少すると思う」と述べた。

原題:Greece Plans Early Repayment of €8 Billion in Bailout Loans(抜粋)

--取材協力:Jacqueline Simmons、Eleni Chrepa.

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