赤城乳業も発売する愛犬用アイスは熱中症対策になるか 専門家「腸負担少ないものが最適」

AI要約

赤城乳業が愛犬用アイス「ワンワン君」を発売。専門家は冷たい食べ物に注意喚起。

ワンワン君は高級な原料を使用し、50匹以上の犬に試食して商品化された。数量限定で販売。

愛犬に冷たい食べ物を与える際は適量や注意が必要。専門家のアドバイスも。

赤城乳業も発売する愛犬用アイスは熱中症対策になるか 専門家「腸負担少ないものが最適」

ケーキやおせちまで登場するなど、年々バラエティーが豊富になる愛犬用メニューだが、今度は「アイス」に注目が集まりそうだ。人気アイス「ガリガリ君」を展開する赤城乳業(埼玉県深谷市)が、愛犬用アイス「ワンワン君」を17日から数量限定で発売する。今年も猛暑が予想され、愛犬の熱中症対策として需要が高まりそうだが、専門家は「冷たい飲食物を与えると病気になる可能性もある」と注意喚起する。

■食材こだわった高級品

ワンワン君は、同社の人気キャラクター「ガリガリ君」の新しい家族という設定で、愛犬も家族同様にアイスを食べる日常を楽しんでもらいたいという願いから開発をスタート。ペット栄養管理士のアドバイスを受けながら、50匹以上の犬に試食してもらうなど試行錯誤を重ね、約2年かけて商品化した。

乳化剤や着色料、香料を使わずに甘さを抑え、原材料に「北海道ヤギミルク」「福岡県産あまおういちご」「宮崎県産マンゴー」「フィリピン産高地栽培バナナ」を使った4種類を用意。価格は6個詰合せで3168円。1個(80ミリリットル)当たりの価格は約530円で、高級アイスとして人気の「ハーゲンダッツ」(1個351円)よりも高い設定だ。

17日から同社の通販サイトを中心に5000セットの数量限定で販売し、今後の売れ行き次第で継続販売も検討するという。

■下痢や嘔吐の危険も

近年の猛暑で愛犬に冷たい物を食べさせる飼い主は増えているが、専門家は、愛犬に冷たい食べ物や飲み物を与える際には注意が必要だと念を押す。

ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体「Team HOPE(チームホープ)」所属の浅井亮太氏によると、「犬や猫を含めた動物は、もともと生きた獲物を中心に食べて体の温度調整を行っており、腸の負担が少ない40度前後の飲み物や食べ物が最適」と指摘する。冷えた飲食物を与えると腸の温度が保てず、腸機能が正常に働かなくなる危険もあるとし、「場合によっては、消化・吸収ができず、下痢や嘔吐、食欲低下などが起きてしまう可能性がある」と懸念を示す。

また、名古屋市内の動物病院に勤める看護師は、「犬の中にはアイスクリームに含まれる乳糖を上手に分解できない子もいるので、冷たい食べ物を与える際は、のどに詰まらない大きさに細かく砕いた氷を与えるのが適切」とアドバイスする。

専門家は、冷たい飲食物を与える際は「適量を守ることが大事」と強調しており、赤城乳業も1日に与えるワンワン君の目安について、体重3キロ程度までの小型犬で5分の1~3分の1カップ、20キロ程度の大型犬は1カップと定めている。(西村利也)