【資産8億円超の元消防士の投資術】「みずほFG株が3年で18倍」で早期退職を実現、「元手が1000万円になれば高配当株に分散投資」

AI要約

元地方公務員が8億円超の資産を築いた投資ノウハウを紹介。高配当株中心のポートフォリオと節約を重視した投資手法が特徴。

投資に回せるお金を少しずつ増やしていく方法や、配当利回り年4%程度の高配当株に投資することで資産を増やす手法を解説。

経験豊富な投資家が贈る、シンプルでわかりやすい投資の王道を体系化した著書が注目を浴びる。

【資産8億円超の元消防士の投資術】「みずほFG株が3年で18倍」で早期退職を実現、「元手が1000万円になれば高配当株に分散投資」

 株の配当で悠々自適のリタイア生活──そんな理想の暮らしを実現させた投資ノウハウとは。元地方公務員ながら、8億円超の資産を築いた話題の「億り人」に聞いた。

 三重県の地方都市に暮らす元消防士・かんち氏、62歳。消防士時代に株投資を始め、2億円近い資産を築いて49歳で早期退職した。その後の投資でも利益を出し、現在の資産総額は8億円超。保有株から受け取る配当金は年2000万円を超えるという。かんち氏が言う。

「私の『高配当株投資』は、時間をかけて無理なく資産を増やしていく手法で、“投資の王道”だと思っています。シンプルでわかりやすく、実践しやすいやり方です」

 かんち氏は今年5月、40年以上に及ぶ投資歴で身につけたノウハウを初の著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社刊)にまとめた。

「株を始めたのは建設業を営んでいた父の影響。幼い頃からよく“俺(建設業)の金回りがいい時に株を買うと必ず損になる。資金繰りがカツカツの時に買った株は大概儲かる”と話していました。建設需要が落ち込むのは経済全体が停滞中の証。そういう時に安値圏で株が買えると、その後に儲けやすい。そんな父の教えが、私の投資手法のベースにあると思います」(以下、「 」内はかんち氏)

 約40年前に消防士になった時は、父親のアドバイスで鉄鋼株を購入。当時は鉄鋼不況で1株100円程度で買えた株が、バブル景気で1株1000円の水準まで上昇した。

「これはビギナーズラックでしたが、その後のバブル崩壊も経験して、“株価が下がった時は買い増しのチャンス”と考えるようになった。不良債権やシステム障害問題で大きく株価が落ちていたみずほFGの株を買い集めた時は、3年ほどで株価が約18倍に伸び、大きく資産を増やせました」

 2011年に49歳で消防士を早期退職した時は資産約1.8億円に達していたという。その投資手法の特徴は高配当株中心のポートフォリオにあり、資産構成は「高配当株5:優待株3:成長株2」の割合になっている。

「大きな値上がりを狙う成長株投資は値動きが激しく、素人には難しい。何回か上手くいっても、最後の1回で失敗したら水の泡。配当や優待を重視したほうがいいです」

 少ない元手から資産を増やすには、まず「節約」が重要になるという。

「私は地方公務員だったので、大きい額を投資できなかった。20万~30万円の給料でやりくりした。

 そういう状況と相性がいいのは優待株。外食が多い人は、ファミレスや居酒屋の株主優待がある銘柄を選ぶ。仮に外食で年30万円使っているなら、それをまるまる優待で賄う生活を目指せば、結果として年30万円が投資に回せるようになります」

 投資に回せるお金を少しずつ増やしていくのだ。

「毎年100万円を投資に回す生活を10年続ければ、元手が1000万円になる。ここまでが険しい道ですが、そこからは配当利回り年4%程度の高配当株に分散投資すれば増やしやすい。資産1000万円になると、毎年の配当金で1銘柄ずつ買い増せる。3000万円を超えたら年120万円の配当金を再投資するだけで、“株が勝手に稼いでくれる”ようになり、ペースが上がります」

 投資で豊かさと楽しみを手に入れたかんち氏は、満足そうな面持ちだった。

【プロフィール】

かんち/1961年、三重県生まれ。元消防士。専業投資家。49歳の時に株式投資で資産2億円近くを築いたことから早期退職。現在の資産は8億円超で、年間配当金は2000万円超に達する。投資初心者でもわかりやすく、判断基準が明確で再現性の高い投資手法は、個人投資家の間で定評がある。長年、書籍の刊行を期待されながらすべて断わってきたが、5月に初の著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社刊)を上梓し、注目を集めている。

※週刊ポスト2024年6月21日号