キャセイとシンガポール航空、SAF拡大・脱プラで協力
キャセイパシフィック航空（CPA/CX）とシンガポール航空（SIA/SQ）はサステナビリティに関する取り組みで協力する覚書を締結した。具体的には、代替航空燃料の開発・利用拡大や使い捨てプラスチック削減を進め、2050年までのCO2排出実質ゼロを目指す。
覚書では、SAF利用拡大のための取り組みや世界標準の算定・報告枠組み構築などを共同で進めることが決定された。また、共同調達の可能性を模索することも明記されている。
さらに、使い捨てプラスチックや廃棄物の削減、エネルギー効率改善に関する成功事例の共有も含め、地球環境に配慮した取り組みを将来的に推進する計画が明らかにされた。
キャセイパシフィック航空（CPA/CX）とシンガポール航空（SIA/SQ）は現地時間6月5日、サステナビリティ（持続可能性）に関する取り組みで協力する覚書（MoU）を締結したと発表した。代替航空燃料「SAF（サフ、持続可能な航空燃料）」の開発・利用拡大や、使い捨てプラスチックを削減する“脱プラ”を進め、航空業界が掲げる2050年までのCO2（二酸化炭素）排出実質ゼロを実現させる。
今回の覚書では、SAFの認知向上や地域の支援政策の提案、SAF利用によるCO2排出削減の透明性と検証可能性を確保し、世界標準の算定・報告枠組みの構築など、アジア太平洋地域でSAFの利用拡大を共同で進めていく。また、共同調達の可能性も模索する。
このほか、使い捨てプラスチックや廃棄物の削減を進めるほか、地上業務と貨物業務でエネルギー効率の改善に関する成功事例を共有する。
両社の覚書は、アラブ首長国連邦のドバイで現地時間6月2日から4日まで開催されたIATA（国際航空運送協会）のAGM（年次総会）で締結。シンガポール航空のゴー・チュン・ポンCEO（最高経営責任者）とキャセイグループのロナルド・ラムCEOが参加した。
IATAが発表したSAF年間生産量予測によると、今年は前年の3倍にあたる19億リットル（150万トン）に達する。一方、全世界が今年必要とする年間航空燃料需要の0.53％にとどまっており、2050年までのCO2排出実質ゼロを実現するためには、各国の政府がSAF普及に向けた政策を講じる必要性があると訴えている。
