ハンバーガー業界で“圧倒的な差”をつけるマクドナルド。業界2位のモスバーガーに勝ち目はあるか

AI要約

ハンバーガー系ファストフード市場規模が7000億円と推計され、各社が厳しい環境で戦っている。

調査によると、ハンバーガーの最適価格は307円で、400円が妥協価格。これを越えるために各社が知恵を出し合っている。

マクドナルドやモスバーガーなど各ハンバーガーチェーンの店舗数や経営スタイルが異なり、それぞれ独自の特徴を持っている。

ハンバーガー業界で“圧倒的な差”をつけるマクドナルド。業界2位のモスバーガーに勝ち目はあるか

 7000億円規模と推計されるハンバーガー系ファストフードの市場規模。各社が物価・人件費・物流コストなどの上昇で厳しい環境で戦っている。市場規模は安定はしているが、ハンバーガーの「400円の壁」というのが存在するのをご存じだろうか。

 マーケティングリサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した「価格に関する調査(2023年)」(全国20歳~69歳の男女を対象)によれば、ハンバーガーの最適価格は307円。妥協価格は400円となっている。この壁を越えるために各社がさまざまな知恵を出しあっている。

【ハンバーガーチェーンの店舗数(2023年4月時点)】

1位:マクドナルド2951店

2位:モスバーガー1292店

3位:ロッテリア308店

4位:バーガーキング186店

 店舗数1位の「マクドナルド」と2位の「モスバーガー」はよく比較されるが、店舗数は倍以上の開きがあり、経営スタイルも異なる。

 商品では大量生産で低価格イメージのマクドナルドと、価格は少し高いものの品質が高いイメージのモスバーガー。人通りが多い一等立地に出店するマクドナルドと、人通りが少ない2等立地に出店するモスバーガー。マニュアルを遵守した接客サービスのマクドナルドと、フレンドリーな接客のモスバーガーなど……ざっと挙げただけでも好対照な両社である。

 店舗数ランキング3位のロッテリアは外食最大手のゼンショーから2023年4月に買収された。既存店舗の再生に力を入れながら、ゼンショーとロッテリアの融合で新業態であるゼッテリア(9店舗出店中、2024年5月時点)を出店したが、ゼンショーのハンバーガー業界への本格的な参入に注視したい。

 4位のバーガーキングは前年比20%と急伸している。一度、日本から撤収したが、再上陸し、話題性ある企画などで若者を中心に人気だ。日本市場への攻めの姿勢が顕著であり、今は店舗数も少ないが競合店にとっては脅威な存在になるかもしれない。ちなみにバーガーチェーンの範囲を広げると、ケンタッキーは1194店展開している。