かんぽ生命・あおぞら銀行と提携「政府の資産運用立国の取り組みを意識」…大和証券グループ本社・荻野明彦社長

AI要約

大和証券グループ本社は、あおぞら銀行やかんぽ生命保険との資本業務提携を通じて、相乗効果を生み出す取り組みを進めている。

新NISA(少額投資非課税制度)の開始により、顧客の資産運用に対する関心が高まり、投資信託などが人気を集めている。

大和証券は、提携先との連携を強化し、運用力を高める取り組みを通じて成長を目指している。

 大和証券グループ本社は、かんぽ生命保険やあおぞら銀行と相次いで資本業務提携を結んだ。新しいNISA(少額投資非課税制度)が始まり、顧客の資産運用に対する関心は高まっている。日本銀行が大規模な金融緩和策を終了し、金融業界を取り巻く環境も大きく変化している。荻野明彦社長に話を聞いた。(聞き手・桜井詠巳)

 ――あおぞら銀行との提携の狙いは。

 「われわれとあおぞら銀行が持つノウハウを相互に活用して、相乗効果を生み出したいと思っている。四つの分野がターゲット。一つは、大和証券の商品をあおぞら銀行に提供して、個人向けを強化することと、不動産関係ビジネス、企業の合併・買収(M&A)。そして、新興企業の支援だ。

 互いに何ができるか。経営協議会を設置して、トップ同士で定期的に話を進めたい」

 ――かんぽ生命とも提携する。

 「資産運用会社をどうやって強くするかというのが最優先の課題だ。継続的に運用力を強化しなければいけない。グループの大和アセットマネジメントは歴史的な背景もあり、プロの機関投資家を相手にする投資顧問分野が弱い。かんぽ生命と組むことで、一部お金を回してもらえる。

 今は、かんぽ生命が大和アセマネへの出資は20%だが、まずはここで成果を出していく。過半数は大和で持っていきたい。

 あおぞら銀行、かんぽ生命ともに提携は、政府の資産運用立国の取り組みを意識した。それがあるわけだからではないが。常に運用力をどう考えるかという選択肢の中に、他社との提携はあった。どれが柱になるかはわからないが、収益の柱は生まれてくると思う。

 必要な相手がいれば、今後も業務提携や資本提携についてもためらわずにやっていきたい。合理的に説明できることは必要だ。別に金融にこだわることはない」

 ――新NISAの状況は。

 「1~3月の開設口座数と買い付け額は、前年同期の3倍強になっており、感触はいい。これだけ多くの方々が投資信託などを選び、買い付けて頂くというのは、今まであまり見られなかった。これだけの伸びはかつてないと思う。