7車種の認証試験で不正 トヨタ・豊田章男会長「心よりお詫び」「認証に関わる仕事が非常にあいまい、もしくは属人的な技能に頼っていた」

AI要約

トヨタ自動車が認証問題の不適切事案で謝罪し、3車種でデータ不備があることが明らかになった。

問題はトヨタグループ全体にまたがるもので、改善に取り組む姿勢を示している。

認証プロセスの課題や再発防止策に関しても言及されており、改善が進められる方針を示している。

7車種の認証試験で不正 トヨタ・豊田章男会長「心よりお詫び」「認証に関わる仕事が非常にあいまい、もしくは属人的な技能に頼っていた」

 トヨタ自動車は3日、認証問題の不適切事案が発覚したことを受けて会見を開き、豊田章男会長は「トヨタグループの責任者として、皆さまに心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

 トヨタによると、国土交通省からの指示に基づいて型式申請を調べたところ、現在生産中のカローラ フィールダー、カローラアクシオ、ヤリスクロスの3車種で、歩行者や乗員保護試験のデータ不備があったという。また、すでに生産を終了したモデルのクラウンなど4車種でも、衝突試験の方法に誤りがあったとしている。調査はまだ続いているということだが、対象車種は法律上の性能に問題ないとしている。

 豊田会長は「今回の事案は、トヨタ自動車とトヨタ自動車東日本の2社にまたがる問題。日野、ダイハツ、豊田自動織機に続き、グループ内で問題が発生していることに対し、トヨタグループの責任者として、お客さま、車ファン、すべてのステークホルダーの皆さまに心よりお詫び申し上げる。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪。

 また、「日本国内における認証制度は、主に安全と環境の分野において、ルールに沿った測定方法で定められた基準を達成しているかを確認する制度。認証試験で基準を達成して初めて、車を量産・販売することが可能になるが、今回は正しい認証プロセスを踏まなかった点が問題」とし、背景を次のように説明した。

「どんな工程で何が行われているのかはっきりわからなかった。まず企画から開発設計、生産準備に至る認証にかかわるすべてのプロセス、情報の流れから仕事の流れまでを表にした。それをやってわかったことは、各社ともリードタイムが異なる中で、どこで遅れが生じているかがわからず、ただそれぞれの部署は早くやろうとする。仕様変更等を企画段階でやっても、仕事が先に進んでいる場合、手戻りややり直しが多発する。一方で、後工程は待ち時間が発生する。この全体像を把握している人は、私を含め自動車業界に1人もいないだろう。また、認証に関わる仕事自体が非常にあいまい、もしくは属人的な技能に頼っているケースが非常に多い。そんな中で、最終の試験で問題が発覚し、短い納期で何度もやり直しをする。その最後のところで大きな負担をかけてしまったのではないか」

 その上で、再発防止については「1つの理由ではない。長いリードタイムで多くの部署が関わる仕事を、まず1回スルーで見て、今の段階ではそれぞれの認証項目において各工程がなすべき作業を標準化する、また保証すべき品質基準などを整理した段階。これが進めば異常管理ができる。それがいつ?というと、多分今年の年末ぐらいまでかかると思う。今回の事案で学んだことを、自工会などを通じて今後国の方にも関わりながら、皆さんが安心安全で乗れる交通流を作るきっかけにぜひともさせていただきたい」とした。(ABEMANEWS)