日産が横浜市中心地区の公道でレベル2の自動運転披露 スムーズ走行も判断難しい場面も

AI要約

日産自動車は、横浜市内の公道で自動運転の実証試験を行い、レベル2段階の自動運転を披露した。

車両には高精度のカメラやセンサーが搭載され、周囲状況を検知しながら走行し、主要地区をスムーズに通過。

自動運転の技術向上に伴い、将来的には運転手不要のレベル4のサービス提供を目指す。

日産が横浜市中心地区の公道でレベル2の自動運転披露 スムーズ走行も判断難しい場面も

日産自動車は、本社のある横浜市内の公道で自動運転の実証試験を報道陣に公開した。運転者が補助的に乗車する「レベル2」の段階で、近隣に横浜中華街や山下公園などがある中心地区の幹線道路を自動走行した。あらかじめ決められた約6キロの走行ルートを、信号や障害物を認識しスムーズに走り抜けた。同社は、令和7~8年度に一般向けに同地区でレベル2の自動運転を体験できるサービスを提供し、9年度以降に運転手不要の「レベル4」でのサービス拡大を目指す。

■150メートル周囲の状況を検知

実証試験に使われたのは、電気自動車(EV)「リーフ」をベースに自動運転仕様に改造した車両だ。14個のカメラ、10個のミリ波レーダー、6個のLiDAR(ライダー)といった高い精度で物体形状などを検出できる機器が搭載され、自車から150メートル程度の周辺状況を検知しながら運転を判断する。

今回の実証試験では、みなとみらい大通りから、みなとみらい21新港地区や中央地区を通る国際大通りを抜け、横浜駅東口側を通るルートを走った。横浜ランドマークタワーや横浜赤レンガ倉庫、観覧車が特徴のよこはまコスモワールドといった横浜市のシンボルを横目に中心地区をグルリと回った。

■自動運転が苦手な場面も

走行中は道路ごとの法定速度で走り、交差点やカーブの手前ではゆっくり減速。横断歩道中の人や周囲の車両を認識しながら、小刻みにハンドルをきり、カーブを正確に曲がった。

自動車教習所で習うお手本のような運転を披露したが、途中、自動運転から切り替え、運転手がハンドルをきって対応する場面もあった。

「曲がった直後に前方でとどまっていた車両を、駐車中の車両なのに停車中の車両と判断してしまった」と同乗していた木村健モビリティ&AI研究所エキスパートリーダーは説明した。「本来ならば駐車中の車両を追い抜いて走行しなければならないが、停車中の車両と判断して車両が動くのを待とうとしたため、やむなく手動で対応した」。自動運転はこうした判断や、停車中の車両の間に割り込んで車線を変更するような判断は苦手という。

■9年度以降にレベル4のサービス目指す