暑いと株価も上がる?「ラニーニャの夏」を気象庁データと日経平均株価から調査した結果

AI要約

気象庁が秋からラニーニャが発生する確率を60%と発表し、今夏からの暑い夏が予測されている。

ラニーニャと暑い夏が株価に良い影響を与える関係があることが株式市場の常識とされており、ラニーニャの夏の株価は過去に上昇傾向がある。

暑い夏になるとエアコンやアイスなどの季節商品の売り上げが伸び、経済全体が活性化し株価が上昇する傾向がある。

暑いと株価も上がる?「ラニーニャの夏」を気象庁データと日経平均株価から調査した結果

 5月10日に気象庁から、秋にかけてラニーニャが発生する確率が60%と発表されました。1カ月前の公表では50%でしたから確率が上昇しており、この夏からラニーニャが発生する見通しが高まっています。

 ラニーニャは南米ペルー沖の海面水温が低くなる一方で、東南アジア近海の海水温が高くなる現象です。このため、夏の時期は日本の南からの太平洋高気圧の勢力が強まり“暑い夏”が予測されます。

 実は「夏は暑いほうが景気や株価に良い」というのが、経済や株式市場の専門家の間で常識的な話とされています。ラニーニャは暑い夏となるなら、暑い夏の株価が高いのですから、ラニーニャの夏の株価は高くなりそうです。今回はラニーニャと夏の株価の関係を紹介しましょう。

■ラニーニャと日経平均株価の関係

 まずは検証結果です。データは気象庁のウェブサイトのものを使います。ラニーニャは季節単位で公表されており1949年からの統計で該当する夏(6月~8月)は合計して19回ありました。

 下図は結果です。図中の〇印の8月は0.91%となっています。これは、過去のラニーニャに該当する19回の8月の日経平均株価の騰落率を平均すると0.91%上昇したことを示しています。

 一方、母数となる75回の過去の8月の日経平均株価の騰落率平均が0.55%で、ラニーニャの8月は、0.36%、これを上回っています。つまり、ラニーニャの8月は、そうでない8月と比べて株高の傾向があることがわかります。7月も同様に、ラニーニャのほうが株高でした。ラニーニャの7月は平均して、1.29%上昇しています。

 7月から8月の夏本番にかけては、ラニーニャのときのほうが株高になることがわかりました。なぜ、このような関係があるのでしょうか。

■暑い夏はエアコンもアイスも売れる

 ラニーニャで夏が暑くなれば、エアコンの売り上げが好調になります。身近なところを見ればビールや清涼飲料水、アイスの売り上げも良くなります。夏物衣料も売れるでしょう。そのような季節モノを扱うメーカーや小売店の販売が好調となり、経済全体を押し上げる効果につながります。これが株高の背景にあります。