リモワのグローバルアンバサダー、ルイス・ハミルトンに訊く“旅の秘訣”

F1の生ける伝説、ルイス・ハミルトンが韓国・ソウルでのリモワのイベントを訪れた。世界的スーパースターの貴重なインタビューをお届けする。

リモワは4月15日、韓国・ソウルでエッセンシャルコレクションの最新カラーであるミントとパパイヤのローンチイベントを開催した。工業地帯を再開発した今ホットな聖水洞（ソンスドン）地区にあるイベントスペースS-Factory前には、セレブ来場の噂を聞きつけたファンたちが早い時間から詰めかけた。異様な熱気を帯びた会場に、リモワのグローバルアンバサダーを務めるF1アスリートのルイス・ハミルトンやBLACKPINKのロゼをはじめ、SEVENTEENのウォヌとエスクプス、EXOのベッキョンとシウミン、TREASUREのジュンギュ、タイの俳優マイルなど国内外から400名を超える豪華ゲストが続々と来場した。

大盛況だったイベントの終盤、ルイス・ハミルトンは同じくアンバサダーであるロゼと談笑した後、控え室に『GQ JAPAN』を迎え入れてくれた。インタビューの機会を得たわれわれは、日本でのレースを終え渡韓したばかりのルイスにまず、旅する中で最も重要なことを尋ねた。

「さまざまな文化や環境を実際に体験することが大切ですね。旅先で建築やアートからインスピレーションを得たり、写真を撮ったりするのも好きなんです」

昨年より展開されているリモワの広告キャンペーン「Never Still 4」では、アルミニウム製のスーツケースを持ち登場したルイス。10代前半から世界中を飛び回るベテラン・トラベラーでもある彼は、アルミニウムはもちろん、ポリカーボネート製のスーツケースも好みだと語る。「ハードなものも持っているけれど、例えば日本のような服を買うのに最適な場所を巡る時は、軽くて持ち運びやすいスーツケースがいいですね」。

ファッションアイコンとしても著名なルイスは、世界中の『GQ』が彼のスタイルを頻繁に取り上げるほどの人気ぶり。数多くのウェアや時計のブランドとコラボしてきた彼が、究極の旅のお供としてのスーツケースをデザインするならば、機能性は絶対に欠かせないのだという。

「これまでにアーティスティックなデザインのものをいくつか持っていたけれど、機能面で満足しなかったんです。ラップトップPCを持ち運びたいからコンパートメントは必須。それにセキュリティチェックを通過する時は、シンプルで使い勝手が良い方がいいですよね。旅行では様々な場面があるので、機能性は最優先事項なんです」

「私は自分のキャリアのすべてを、世界中を旅することに費やしてきました」とまで言い切るルイスが、アルミニウムならびにポリカーボネート製スーツケースのパイオニアであるリモワとパートナーシップを築くのは必然とも思える。「リモワと聞いて最初に思い浮かぶ言葉は？」と問うと「イノベーション」と即答し「120年以上の歴史があり、とてもスタイリッシュなのが素晴らしいと思います。長きに渡ってしっかりとブランドを継続し、製品のクオリティを高め、評価され続けていますよね。リモワのチームと、10年後の旅行がどうなっているのか、旅行者は何を必要とするようになるのかついて話したこともあります。彼らは革新的なものを追求しており、私はそこから生み出される素材や技術を愛しています」と続けた。そしてルイスは、インタビューの場に居合わせたスタッフが身に付けていたクロスボディバッグを指差し「そのバッグを愛用していますよ。あなたと同じブラックは持っていないけれど、シルバーのボディと緑のストラップを組み合わせたモデルが特に気に入っています」と話した。

多忙の合間を縫った短時間の取材が終始和やかなムードで行われたのは、ルイスの人柄あってこそ。最後に「もし1週間一人旅をするとしたら、どこに行きますか？」と問うと「日本から来たばかりだけれど、やっぱり日本かな」とはにかんだ。

「京都にも行ったから、次は大阪に行きたい。日本には訪れるべきスポットが本当にたくさんありますよね。最も美しい文化をもつ国のひとつだと思うので、もっと深く知りたいんです。ファッションや食べ物はもちろん、街がきれいなのも魅力です。タクシーに乗った時、運転手がすごく誇りを持って丁寧に仕事をしていて、その姿勢にも感銘を受けました。あと、桜が大好きなんです。先週、日本で見た桜も素晴らしかったし、自宅の庭にも植えています」