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ハミルトン、実はアンダーカットを狙っていたわけではなかった?「マックスにピットストップするチャンスを与えたくなかったんだ」
モナコGPで7位入賞したハミルトンのピット戦略に関するコミュニケーションミスと結果について
チームとのコミュニケーションミスがアンダーカットの機会を逃し、フェルスタッペンにポジションを奪われた経緯
アンダーカットを狙っていなかったが、ルイスのアウトラップでプッシュが足りず結果に影響が出た
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F1モナコGPを7位で終えたメルセデスのルイス・ハミルトン。レース中、タイヤ交換の際にチームとのコミュニケーションがうまくいかず、レッドブルのマックス・フェルスタッペンをアンダーカットすることができなかったと、チーム代表のトト・ウルフが語っていた。しかしトラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンによれば、アンダーカットが成功するとは考えていなかったという。
ハミルトンはモナコGPの決勝レースのスタートに、ハードタイヤを履いて臨んだ。しかしスタート直後に大クラッシュが起きて赤旗中断となり、この間にタイヤ交換義務を消化できるため、ハミルトンはミディアムタイヤに履き替えて再スタートに挑み、チェッカーを目指すことを余儀なくされた。
ハミルトンと、その前を行く2台(チームメイトのジョージ・ラッセルとフェルスタッペン)もミディアムタイヤを履くことになったため、徹底的にタイヤをマネジメントすることを強いられた。その結果、著しくペースを落としての走行となった。
ただハミルトンの後方を走る角田裕毅(RB)は、さらに遅いペースで後続を抑えて走っていたため、ハミルトンはポジションを落とすことなくタイヤ交換をするチャンスが生まれた。そして51周目にピットインしてハードタイヤに交換することになった。
ただこの時、ハミルトンとチームの間にコミュニケーションミスがあり、ハミルトンはアウトラップでペースを十分に上げなかった。その結果、翌周ピットインしたフェルスタッペンに、前のポジションをキープされてしまったのだ。
このことについてウルフ代表は、次のように語った。
「アンダーカットを狙ったアウトラップが重要だったはずだ」
「しかし、新品タイヤのアウトラップで十分かどうかが議論になった。だから彼が受け取ったメッセージは、良く言えば混乱させるモノだった」
しかしメルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターのショブリンによれば、フェルスタッペンをアンダーカットするつもりはなかったという。
「マックスをアンダーカットできるとは思っていなかった。なぜなら、我々の後ろに誰もいなくて、彼らがピットストップをしたとしても我々の前で戻るチャンスがなければ、ピットストップしなかっただろうからね」
ショブリンはそう語った。
「それでも、最終的にはルイスがマックスに追いつくと予想していた。マックスがストップしなくてもね。そうなったら、マックスが古いタイヤを履き、ルイスが新しいタイヤを履いていたはずだ。それでマックスにプレッシャーをかけられたはずなんだ」
「それにより、レースの状況が大きく変わるとは思っていなかった。でも、ジョージがフィニッシュまで辿り着くのに苦労するという万が一の事態に備えて、少しは保険になるはずだったんだ」
アンダーカットを狙っていたわけではなかったとはいえ、ハミルトンがアウトラップでプッシュしなかったため、フェルスタッペンにピットストップするチャンスを許してしまった。これが失策だったのは間違いないようだ。
「うまくいかなかったのは、アウトラップでルイスに全開で走るように指示しなかったことだ。それによりマックスにはピットストップできるギャップを与えてしまった。彼はそれまで全速力で走っていなかったため、ジョージの後ろながらペースを上げることができたんだ」
「それで彼はピットストップして、ルイスの前に出ることができた。我々にとって厳しいのは、マックスがジョージの後ろで、新しいタイヤを履いていたことだ。これは理想的な状況ではなかった」
「しかしながらジョージは、ポジションを失うリスクに晒されているようには見えなかった。うまくペースをコントロールし、最後にはタイヤを良い状態に保っていたんだ」
「ただもう少しきちんとしたやり方で、メッセージをもう少し明確にできたはずだ」