【文化中国】「小町巡り」が人気、中国の観光市場は地方へと下沈する傾向

AI要約

中国国内の旅行者数が増加しており、逆方向旅行が流行している。

「小町巡り」が盛んになり、中国の観光市場が地方へと下沈している。

小町の魅力と需要の多様化が新たな観光動向を形成している。

【文化中国】「小町巡り」が人気、中国の観光市場は地方へと下沈する傾向

【CNS】大都市の喧騒から離れ、小町の山水田園を散策する。先日終わった「労働節(メーデー)」の連休では、中国国内の旅行者数は延べ2億9500万人に達し、前年比で7.6パーセントの増加を見せた。これまでとは異なり、「逆方向旅行」が流行となり、ますます多くの中国人が三、四線都市の県城(県人民政府の所在地)を訪れるようになった。「県城巡り」「小町巡り」が盛んになり、中国の観光市場が地方へと下沈(下方向に発展して普及し根付くこと)していく傾向がより鮮明となっている。

 中国の旅行サービスプラットフォーム、携程(Trip.com)が発表した2024年の「労働節」の連休のデータによると、県域市場の旅行注文の同比増加率が三、四線都市を上回り、三、四線都市の増加率は一、二線都市を上回っている。さらに、関連データによると、中国の県域市場のホテル予約注文は前年比で68パーセント増、景勝区のチケット注文は前年比で151%増となり、全国平均を上回る増加率を記録している。

「小町巡り」の流行は、中国の観光市場における客源地と目的地の多様化、そして市場の構造的変化を映し出している。需要側から見れば、消費者は、大衆的な傾向に流されなくなってきており、旅行の目的地も一、二線都市から周辺の県域都市へと徐々にシフトしている。供給側から見れば、中国の高速鉄道などの交通インフラの整備が進み、三、四線都市や県城と他の主要都市との連結性と直通性が向上している。

 さらに、下沈市場(中国の三線都市以下の都市および農村)の旅行供給が豊富でユニークな特色を持つようになり、「小町巡り」の重要な推進力となっている。地域に根ざした文化観光の発展戦略が、もともとは平凡だった「小町」に新たな魅力をもたらし、需要の分散化と供給の多様化が中国の観光市場の新たな動向を形成している。

 中国旅行研究院の戴斌(Dai Bin)院長は、現在、旅行は民衆の日常生活に溶け込み、ますます多くの小町が時代に合わせた「文化的な雰囲気、おしゃれさ、生活感」で各地からの観光客を魅了していると述べている。成熟した旅行先と比べ、これらの小町はより大きな発展の潜在力とイノベーションの需要を秘めている。下沈市場への移行とともに、需要のアップグレードが進む新しい大衆ツーリズムの時代が幕を開けている。

 しかし、大都市と比較すると、小町のインフラ施設やサービスの質、受け入れ能力などには改善の余地がまだある。観光客を持続的に引き付けるためには、環境のソフト面とハード面を整え、文化観光のサービスと体験を向上させ、革新的な旅行商品を絶えず提供し、観光客によりスムーズで充実した観光体験を提供する必要がある。これにより、「見られる」から「遠くへ行ける」旅行へと成長していくのだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。